第百四十五話 ダメなのに嬉しい
ぼくはソニックの
こうやって
このところはずっとビクニから出る小さな
でも、今日はお腹を満たすためじゃない。
ぼくがソニックを助けるためだ!
「やめろ……。やめて……くれ……」
ぼくが近づいていくと、いきなりぼくとビクニの姿をしたものがバラバラに
「ビクニィィィッ! ググゥゥゥッ!」
そこから
そして、
「あぁ……あぁ……」
すでに
もう
これ以上続いたらソニックが
でも……自分が
こんなこと考えちゃダメなのに……ぼく……すごく
ソニックがぼくとビクニのことをそこまで考えてくれてたなんて……嬉しくてしょうがないよ。
だから、ぼくがソニックを助けるんだ。
そして、
ぼくは拘束されているソニックの頭の上に乗った。
それから大きく
「ググ……なのか……?」
待っていてねソニック。
今ぼくがこの悪夢を食べちゃうから。
それからぼくは口を大きく開けて、目の前にいる幻覚を
だけど、吸っても吸っても幻覚は
「やめろググ……お前が悪意や悪夢を吸い
目の前の幻覚がぼくに吸われたことで、ソニックの意識は
「ライト王国のときみたいになっちまうだろ!」
よかった……よかったよぉ、ソニック。
でも、大丈夫。
ソニックだって、あれだけつらい目に
ぼくだってこのくらい……耐えてみせるよ。
「
違うソニック、前とは……ライト王国のときとは違う。
あのときのぼくはただお腹を空かしていて、自分の
だから……今していることはあのときとは違うんだ!
ぼくは叫ぶように鳴きながら、さらに大きく口を
今にならわかるよ。
なんでぼくが人間や
それはきっと、大好きな人……
そして、ぼくはソニックの意識の中にいた悪夢を吸い尽くすと――。
いつの
「バカ
ソニックの目から流れた涙が、ぼくの体にポタポタと垂れてきた。
それがすごく
その涙がぼくもソニックも
「ありがとうな……ググ……」
ぼくは、泣きながら
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