第十七話 荒々しい激励
バクの口から
女神様は、何も返事をしない私のことなど気にせずに話を続けた。
今、私たちの目の前で
ただ悪い心を食べるだけならここまで
「しかし、女神様。このライト王国で、バグを寄せ付けるような
ラビィ姉に
だけど、そんなライト王に
「もしかして……うちのせいっすか……?」
思い当たる
その
そうはさせまいと、
「ヘルフレイム!」
魔術師たちの手から現れた
苦しそうに叫ぶバグだったけど、自分を包んでいた炎を一気に
「ビィィィッ!」
「こ、こんなの……バハムートのときと同じじゃない……」
私はガタガタ震えて動けなくなっていた。
そんな私を置いて、兵士たちは吹き飛ばされた宮廷魔術師たちを助けようと走り出していた。
そして、ライト王も自ら剣を取って、バグへと向かおうとしている。
「ダメっすよ、ライト王様! 片腕でどうにかできる相手じゃないっす!」
ライト王を
だけど、ライト王は――。
「それでも、このままバグを街へ行かせるわけにはいかん。この国――ライト王国は
ライト王――お
……まただ。
ライト王はまたこんなときなのに笑っている。
私とリンリを
そんなライト王を見て、私は涙が止まらなくなっていた。
「ならば……王様が民を守るのなら……うちはライト王様を守るっす」
「ラビィ……いいのか? 死ぬかもしれんぞ?」
「こんなことになって……うち一人が死ぬのはいいっす。でも……いや、今はゴチャゴチャ言っていないで、あいつを止めるほうが先っすね」
自分が
表情を
「な、なんでみんな……そんなに強いの……」
震えて泣いていることしかできない私に、女神様は声をかけてくる。
「ビクニ……魔道具を身に付けなさい。そして、あなたの力を――」
「そんなこと……いきなり言われたって無理だよっ!」
女神様の言葉を遮って叫ぶ私は続ける。
「わ、私はリンリじゃないんだ! いくらすごい道具を
泣きながら大声で言う私に、さすがの女神様もそれ以上は何も言ってはくれなかった。
静かになった
「ふざけんなよ、お前……」
近くにいた
そして、そのまま私の顔に自分の顔を突き付けてきた。
「お前には
「だから無理だって言ったでしょ!? 私なんかじゃ無理なんだよっ!」
「やってもいないうちに
ソニックは、自分のおでこを私のおでこにくっつけて、何度も同じことを言った。
お前が力を使う、それまで俺が必ず守ってやる。
だから一緒にバグを止めるんだ、と。
「ソニック……私のこと……守ってくれる……?」
「ああ、絶対に守るってやる!」
「絶対に、絶対にだよっ!」
「約束を
荒々しいソニックの声。
それを聞くたびにビクビクしてしまっていた私だけど……。
でも、今の私にはその
「わかった……よし、やろう! バグを止めよう! 私……みんなを守りたい!」
そして私はソニックの拘束を解いて、彼と一緒にバグとみんなが戦っているところへと向かった。
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