第十三話 明日は名前から
私はいろいろと
あの
元々
それに……。
私もいきなり知らない場所で目が覚めて
「……って、どうして私があんな奴のことで
ストレスのメーターが
リンリがよく私のことを
「……いかんいかん。こんなんじゃこの
城内にいた兵士たちが、突然大声を出した私を見てオロオロとしていた。
……まずい。
吸血鬼の少年の部屋から出てきた私が、癇癪を起こしていたとラビィ姉に話されでもしたら……それは
私は引き
とりあえずこれで大丈夫かな……?
そして、自室に戻ってから
私はああいうときにどう
といっても、引きこもりのコミュ
「まずは
前にお婆ちゃんが、私が知らない人と話すのが
「
そう言っていたお婆ちゃんは、必ず出会った相手のことを名前で呼ぶ人だった。
宅配便の人や、物を売り付けようとしてくるセールスマンが相手でも、絶対にその目の前にいる人の名前を覚える人だった。
そういう人だったせいか、お婆ちゃんが電話でオレオレいう振り込め
それは必ず相手の名前、フルネームを
「名前かぁ……うん、明日は私の名前を名乗って、彼の名前をちゃんと覚えるところから始めよう」
その後――。
ラビィ姉が、いつものように私の部屋に
今日のメニューはお昼と同じで、焼き立てのパンと
「何か聞けたっすか?」
ラビィ姉が、パンにかじりつく私に何の
訊かれるとは思っていたけれども、思わずビクッと
そして、頭の中でビクニだけにビクッ! ……なんてくだらないダジャレまで
「今日は彼、すごく
「どうせ俺は寝るとか言われて、すごすごと引き下がったんじゃないすっか?」
「ビクッ!」
「それで、私は被害者で殺されるところを助けてやった恩人だぞ! とか言って、
「ビクビクッ!」
ラビィ姉は、何か言うたびにビクついている私を見て、大きなため息をついた。
「で、でも、明日は大丈夫! きっと話してみせるよ! いや……たぶんだけど」
……大丈夫、明日は大丈夫……なはず……。
その後、ベッド入った私は、おまじないのように何度も何度も大丈夫、大丈夫と心の中で言い続けた。
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