イントロバートガール·シヴァルリィ~無気力少女の異世界冒険記
コラム
第一話 聖騎士と暗黒騎士の書
私は今日学校を休んだ。
いや、正確にはサボったといったほうがいい。
それは
そして、何事もなく自宅にたどり着く。
私、
学校はサボりがち、でも
私の家は
それは、まだ私が小さかったときに両親が
うちにはテレビもなく、当然パソコンもないためネットもできず、世の中の
そのことに
お婆ちゃんには、私を引き取ってくれただけでも
お婆ちゃんは、私が学校へ行かないことを特に気にしてはいない。
「ビクニはやることはちゃんとやる子だからね」
たとえサボっても悪いことはしない娘だと、全面的に
ああ、お婆ちゃん……ありがとう。
自分の部屋に戻ると、八匹の猫が私のベットの上でゴロゴロしていた。
そして、私が帰ってきたことに気がついたのか、さらに三匹の猫が部屋に入ってくる。
私の家――お婆ちゃんと住んでいる家は、近所から
別に
まあ、私は「
ベットでゴロゴロしている猫たちに
そして、さっそく借りてきた本に手を
私の好みは、ほのぼの系のライト
寝ながら本を読んでいると、集まってきた猫たちが私の体に寄りかかってきた。
まあ、いつものこと。
夏場は
「ビクニ、入るよ~」
ノックもせずに、いきなりドアが開かれた。
そして、扉を開けた人物はいきなり
寝ている私の上にフライングボディアタックを
私の周りでゴロゴロしていた猫たちが、
「今日、学校サボったな!」
今まさに私のことを押し
近所に住んでいる昔からの
私がこんな陰キャなのに、今まで学校でイジメられなかったのは、すべてリンリのおかげだといってよい。
スクールカーストで上位の子と仲が良いと、自然と
まあ、私はそのカーストに入っているつもりはないけどね。
でも、学校のクラスという
私はリンリの
「ゲフッ!」
「ビクニ、なんで学校来ないんだよ~」
私の上に乗りながら言うリンリ。
学校をサボるといつもこうだ。
私は予約していた本が
それを聞いたリンリは、
長い付き合いだけど、顔を見るだけで何を考えているのかがわかる、表情
「そんなの学校が終わってから行けばいいじゃん」
「ずっと返却されなかったから、早く読みたかったんだよ」
「その本ってそんなに
そう言うとリンリは、私が図書館から借りてきた本の山に手を伸ばして、その中の一冊を手に取った。
そして、パラパラとページをめくっていく。
「何これ? 何も書いてないよ? 全部真っ白じゃん」
おかしなことを言うと思い、その本をリンリから受け取る。
たしかに何も書いていない。
それは、ずいぶんと
作者名も、発行社名も書いていない。
というか、こんな本借りたっけ?
首を
「スゴイ、スゴイよビクニ。何も書いてないのに面白いなんて、
「ま、
「いやいや、これだからビクニは面白い」
「うるさい! 大体リンリはいつも勝手に部屋に入ってきて!」
私たちが言い合いをしていると――。
「え、えッ!? ビクニ、本がなんか光ってるよ!?」
「またそうやってバカにして! もう、リンリなんて知らない!」
「
そうリンリが言ったのを
まさか学校をサボって本を借りに行ったことで、私たち二人が異世界へ行くとは夢にも思っていなかった。
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