待ち人

白樺

第1話 雨の匂い

梅雨は嫌いだ。

せっかく巻いた髪は湿気で崩れるし、

蒸し暑い。


膝下間である制服のスカートは、蒸れてしかたがない。 その上、歩く度にふくらはぎと膝裏の真ん中辺りに裾があたり、不愉快だ。


そんな生活ももう今年で終わりだ。


そして、この高校で過ごす最後の梅雨でもある。


来年からはどう梅雨を過ごすのだろうか。


今日も雨の匂いがする。

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