第6話 また鼻血出そう

 今日は朝から色々な事がありすぎる。


 俺の双子の兄貴が、姉貴になっていた。最初夢でも見てるんじゃないかと思ったが、どうやら現実らしい…。。


 どうしてこうなったのか、俺は凄く知りたかったけど、まだ原因はは不明のままである。


 おかしなことに、母さんは、兄貴が姉貴ななったとは思っていない。


 朝、俺が母さんに確認した時は、この家にはお姉ちゃんがいると言っていた。母さんは、どうしちまったんだろうかと思う。


 それにしても、兄貴は、何処のアイドルかってくらいめちゃくちゃ可愛い女の子になった。


 声も女の子の声なので、どっからどう見ても女である。男の要素が何処にもないのだ!


 先程、部屋にある女子用の制服に着替える為に、雪が服を脱ぎ、可愛い下着姿になった途端、二人して鼻血を吹き出してしまった。


 そして今、俺と下着姿のままの雪はティッシュを鼻に突っ込んだまま、鼻血の着いた床を掃除する羽目になり、掃除している最中である。


 元々兄貴だったとはいえ、めっちゃくちや可愛い女の子が、目の前で、下着姿でいるのだから、俺はドキドキが止まらないでいるが、普通なら、こんな状況には絶対ならないだろう。


「ヤバいな、また鼻血出そう……」


「え、何? 一輝今なんて言ったの?」


「あ、何でもないよ……何でも……」


「雪、一輝、早く起きてきなさい!」


 一階のリビングから、母さんの声が聞こえる。


「はーい」


 二人で返事をすると、早く制服に着替え始めた。


 着替えに手こずる雪は、そのうち慣れるだろうが、今は手が震えてスカートのホックが上手く止められないでいるので、俺が手伝ってやる。


「あ、ありがとう。何かスカート履いてみたけど変な感じがする。脱いだら駄目かな!」


「気にすんな! 困ったら手伝ってやるから。でも、学校行くのに女の子になってるんだから、スカートじゃなきゃ困るだろ! そのうち慣れるだろうから、我慢するしかないな」


「うん、我慢するしかないよね!」


 俺は、不安そうになっている雪と一緒に、一階のリビングへ行くと、ちょうど父さんが会社へ行く所だった。


「おはよう! 行ってらっしゃい」


 二人で父さんに声をかける。


「行ってくるよ! 一輝おはよう。雪は……スカート短くないか?」


 何故か、父さんも、雪と呼んでいる!不思議だ。一体どうなってるんだろうか?


 その後、母さんは待ってたといわんばかりに、雪の髪にヘアアイロンをあてて、綺麗に整え始めた。


「あ、ありがとう」


「今日は時間がないからよ! 女の子は支度に時間掛かるんだから、もう少し早く起きてきなさいね」


「うん……」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る