死の教育
㐂夕(たななばた)
1日目
ーー1日め。まずは、軽くジャブからです。
Q1.
あなたが医師から余命半年と宣告されたとき、これから何をしますか?
日常生活において何が変わりますか?
A1.
僕は「日常」が好きです。
できることならば、年老いるまでずっと「日常」が続けばいいな、と考えています。
しかし、この「日常」というものは、潜在的に未来指向性を持つものです。
「将来○○したいから、今をこう過ごす」といった指針や目標により、現在の「日常」が規定されています。
さて、医師から余命半年と宣告されたとき、現在から半年以降の「未来」が奪われます。
そして、「未来」が奪われるとき、それと同時に、未来に規定された「日常」も奪われてしまいます。
僕の好きな「日常」が奪われたとき、僕はどうするのでしょうか。
「日常」が奪われたとき、それすなわち「『自分』の未来」のために生きることが叶わなくなったとき。
そのとき、僕はきっと、「『誰か』の未来」のために生きることを選択するのだと思います。
友達、家族、自分の大切な人。
彼・彼女らが、自らの死後の「未来」を歩むために、いまの僕にできることを考え、ひとつずつクリアしていく。
それが、僕が半年を生きる意味になるでしょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます