ひつま節

考えすぎであったりかんがえなすぎであったり

その組成は個性はどうすれば、

うまくいくのだろう

誰かが喜んだり喜ばなかったり

飛行機が飛んだり、落ちたりする


歌を歌いながら頭を振って

平衡器官が悪さして

段ボール箱を足蹴にしちまった

そのこと、今でも後悔する


悲しみを厭わぬ強さ

だるそうにして

ポリシーだけは高いと

バイトを休んだどうしようもないやつがいた

それでも、彼はバイトを休むという直前まで

何もまちがえた人生を送ってきたわけではない


段ボール箱に隠れた妖精がいつまでもささやく

おまえの脳神経はだんだん、

しなびた細切りレタスみたいに脆くなっている

考えすぎて、馬鹿になっていては

世話がない


路地裏の段ボール置き場からは

腐った野菜の匂いがしました

そこから見える通りには

人がたくさんいて、汗だくになって

目は死んでいて、

きっと奴らは何も考えることのない

思考停止したやつらに違いない


そう思っていると、通りの真上に

ひかりかがやく飛行機がやってきた


通りにいた人はそれに気づいて立ち止まり

目を少し潤ませたのだった



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