閉じる
表示設定
目次
第17話 笑って
きのうできたことが
今日にはできなくなっている
そんなことが、これから増えていくのでしょう
字を書くことも、読むことも
できなくなってしまうのかしらね
あなたが誰かということすら
いつか、わからなくなってしまうのかもしれません
いやですね
困りますね
でもどうか、嘆かないでください
怒らないで
悲しまないでください
そしてどうか
一緒に笑ってください
しょうがないなあ
こんなことも忘れてしまったのかと
こんなこともできなくなったのかと
一緒に、笑ってください
酷なことをいってますね
わかってますよ
でも、知っているでしょう？
私はわがままなんです
どうせなら、笑っていたいんです
笑っていてほしいんです
それは願いなんてかわいいものではなくて
祈りなんてきれいなものでもなくて
呪い――という言葉が似合うような気持ちなのかもしれません
どれほど泣いても不安は消えないし
どれほど怒っても現実は変わらない
だから
笑ってやるんです
忘れることに
できないことに
負けてなんてやりません
ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）
応援したユーザーはいません
応援する
アカウントをお持ちの方はログイン
カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。
新規ユーザー登録（無料）
カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック！
カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう！
応援すると応援コメントも書けます