全知全能の力を得たチンピラがやりたい放題やった末に神をも超える境地へと至る話
ンヲン・ルー
抗争の果てに
腹と胸に銃弾を何発か受けた。
最初は燃えるように熱かった。
次に、だんだんと寒くなってきた。
気が付けばアスファルトを背に空を仰いでいた。
不思議と痛みは感じない。
ただ寒い。もう初夏だというのに、雪山にいるみたいに全身が震える。
ついには眠たくなってきた。
…ああ、終わったな。
ここには、俺みたいな下っ端を助けてくれる奴なんていやしない。
マフィア同士の抗争。
裏社会でどうにかのし上がろうと先陣を切った結果がこのザマだ。
…だが、まあいいか。
いよいよ寒さすら忘れるくらい眠たくなってきた。まるで柔らかなベッドの上にいるように心地が良い。
そのおかげか、死に対する恐怖が薄い。
むしろ、今までにないくらい安らかと言えた。
ようやく、この腐った世界からおさらばできるんだ。もう苦しまなくていいんだ。どうせ死んだ先に天国も地獄もありはしない。これで何もかも終わりだ。
お疲れ…さん…。
よく頑張った。よく頑張ったよ、俺。
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