第24話 生徒会選挙本番

「ありがとうございました。では次に…」


生徒会選挙本番当日。1つの体育館という狭い箱に沢山の生徒が押し込められ生徒会選挙立候補者の応援演説と立候補者による演説が行われていた。


あれから計画を色瀬にも話し、復活には少し時間がかかったがどうにかまた登校してくれるようになった。そして、今日までこの生徒会選挙に向けて色々動いていた。


その間、俺も色々動いていた。そして1つすることが出来た。これは予想だったが、どうやら的中したらしかった。


そして今日も裏方だ。今日の主役は優衣だ。


俺はふと生徒会選挙の立候補者の控え場所を見た。


そこには、生徒会長へ立候補する郡山 レオが余裕の表情をしていた。


それはそうであろう。なぜなら、あの噂のせいで色瀬への評価は下がっており、事前に発表された支持率も3倍以上の差をつけて郡山 レオの方が勝っていた。


俺もあの立場だったら顔に出さずとも勝利を確信しているだろう。


色瀬の方を観るとこちらは緊張しているのだろうということがヒシヒシと伝わってきた。


まぁ無理もない。俺が、いや優衣が今からやる事は前代未聞だ。


「それでは続いて、生徒会長立候補者の演説の方に移りたいと思いますが、ここで10分休憩を取りたいと思います。」


議長がそう告げた。


これが作戦開始の合図だった。


俺はトイレに行くふりをして、体育館の裏に潜り込み、用意していたパソコンを起動させた。


そして元々、PowerPointで作っておいたものを展開し準備は完了した。


「皆さん席に着いてください。では、これより生徒会長立候補者の演説と応援演説を始めたいと思います。まずは郡山 レオ君の応援演説の方お願いします。」


さて、相手はどう出る?


俺は今から始まる演説に聞き耳を立てた。



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隠れて付き合っている彼女のために暗躍しようと思います。 枯れ尾花 @nonokajt

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