第6話 観察

翌日。登校してから俺は色瀬の観察を始めた。


そして、始めて10分たってから俺は気づいた。


普段からあまり話さないため比較のしようがないことを。そう思った俺は考えるのを辞め、いつも通り本を読み始めた。


1時間目が始まり30分くらい経った頃、昨日、優衣が言った事が現実となった。色瀬が当てられたのだ。いつもの彼女なら楽々答えられる問題だ。


だがら彼女が「分かりません。」と言った時は本当に驚いた。どうゆう事だ?そんな思考を巡らせていると、1時間目が終わっていた。


チャイムとほぼ同時に優衣からメッセージが届いた。


「でしょ!やっぱり木曜日はなんか変なんだよ。」


「確かに。いつもの色瀬だったら、答えられる問題だと思う。」


「だよね!だよね!.......でも、顔は変わってないし、どうゆう事なんだろ?」


「やっぱり双子なんじゃないか?」


「絶対にそれは間違ってない!昨日言ったでしょ!私は空が嘘をついたら分かるんだから!」


「さいですか。」


メッセージのやり取りを終えると、俺は色瀬を再び観察することにした。だが、やはり特に変わった様子はない。


そう思って目を逸らそうとした時、一瞬彼女の携帯の画面が見えてしまった。そこにはカレンダーが表示されており、木曜日の所に1週間おきに赤マルがされてあった。


なにかの印だろうか?


そこで丁度チャイムがなり、俺の思考は閉ざされた。


それから特に何も思いつくことなく、昼休みに入った。気分転換でもするかと思い、中庭に弁当を持っていくことにした。


そしてベンチに座り優衣が作った弁当を食べていたが、数分でここに来たことが失敗だったと悟った。


教室よりも周りの声がうるさいのだ。当たり前だが、校舎が中庭を囲む様に出来ているからである。四方八方から声が聞こえてくる。


「えーこの人かっこよくない?」 とか、


「今期は豊作でござるな!」 とか、


「問題だ!カーブでトラックが落としたものは?」

「わかった!スピードだ。」 とか、


最後に聞こえてきたのに限っては高校生になってなぞなぞかよと思ってしまった。


ん?待てよ。


(普通なら解ける問題が解けない。昨日の会話を忘れる。一週間おきにつけてある印。双子では無い。

なぞなぞ。)


.......そうゆうことだったのか。


俺はすぐ、優衣にメッセージを送った。


「色瀬になんて質問したんだ?」


すぐにメッセージは返ってきた。


「もしかして、空って双子なの?だっと思うけど。」


「ありがとう。」


「え?もしかして、わかったの?」


「大体な。今日彼女に教室に残って欲しいと伝えておいてくれ。」


「分かった!」


メッセージを終えると、俺は弁当が半分以上残っているのに気づいた。それを急いで食べて、教室に戻った。

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