少年E

@fiction7

第1話

少年Eは、無人島にいる。


但し、現在に限る。


少年Eは、学校の忘れ物を取りに帰ったら、このような事態へ発展したのだ。


帰宅途中では、10秒間空中にいたし、太平洋を水泳で横断するまで帰れなくなるところでもあった。


いや、少年Eが暮らす街は、正常な街である。


少年Eは、必ず、奇跡的な体験をするという特殊体質を持っているのだ。


「助けてください!」


漁船が通っているのを確認し、大声で叫んだ。


「まってな!すぐ行く!」


漁船は、Eを拾った。


「取り敢えず、これを飲んで。後でこれでも食べて、ゆっくりしてな。」


「ありがとうございます。」


少年Eを拾ってから、1時間程かけて、漁船は、本土に到着した。


………しばらくして…………


「どうして、こんな事になったんだ?」


漁師は、心配そうに、そして、素直に不思議に思ってそうな様子で聞いた。


「……いや…そうですね。長くなりますが、聞いてください。」


少年Eは、はにかみながら、この長い長い数日間の出来事を語り始めた。




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