ぼくは無力だ

琴葉

救えなくて。。。無力でごめんね。。。

「私死のうと思うんだ」

ある日学校の屋上で彼女は、口にした。

彼女との出会いは、委員会活動だった。

何気ない会話だった。

彼女は、クラスで虐められているらしい。

真面目で少し根暗。。。それがに虐められている原因そうだ。

「普通に学校生活を送りたかった。」

ただ 、それだけだと彼女は、話した。

ぼくは、それを黙って聞いていることしか出来なかった。

あの時、「大丈夫。これからは、1人じゃないよ。ぼくが居るよ」

そんな言葉を掛けられていたら。彼女が1人で思い詰めることは、なかったのかもしれない。

結局 ぼくは、自分も虐められるのでは、無いか。。1人になるのが怖い。。。そんな気持ちから声をかけることは、出来なかった。

ある日の放課後。

ぼくは、彼女に呼び出された。

「私 死のうと思って」

と彼女が口にした。。。

次の瞬間。。。

ぼくの視界から彼女が消えた。

まるで、映画のワンシーンのスローモーションのようにゆっくりゆっくり彼女が真っ逆さまに堕ちていく。

その後彼女は、二度と目を覚ますことは、なかった。

あの時、ぼくに勇気があれば。

あの時、何か言葉を掛けられていたら。

変わったのでは、無いのか。

もっと。。。ぼくに力があれば。。。勇気があれば。。。



救ってあげられなくて。。。無力でごめんね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ぼくは無力だ 琴葉 @waste_of_time

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ