第6話 ティンダバナの回廊。

「エッヘン」

 真後ろから咳払い。


「見〜つけた!」

 あの声だ!


 僕の方こそ見〜つけただよ!


 嘘見たい居たの?


「居たよ!」


 嬉しい心底嬉しい。

 でもどうして思った事を答えてくれるんだろう。

 不思議だ。

 以心伝心か〜これは運命かも。


 少女は後ろから歩いて来て僕の横に同じ様にもたれ座る。


 僕は女子には何故か敬語で喋ってしまうけど、少女に対しては初めから普通の口

 調でサラサラと喋っている。

 これも発見だ。

  

 リラックスの現れなのか、ズーッと喋っていられる心地よさ。

 少女も同じく普通に喋ってくれる。

 会話がこんなにも楽しい事だったとは…。

 これまた発見。

 

 少女少女と言うけど、実はまともに顔も見れてない。

 年齢も失礼に当たるかと聞けてない。

 ただ分かる、肌身に感じるこの心地良さは本物。


「ね、ティンダバナの回廊の途中に湧き水が湧いているの」

「行こうよ!君」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る