第3話 自然体で話せる不思議。

 いつの頃からだろう。

 女子と並んで座る事すら余計な事ばかりを考えて自らに呪縛を施したのは。

 小学校の時は何も臆する事なく自然体で接していたのにね。


 今、僕は自然体なんだ。


 この少女の屈託無い雰囲気の恩恵なのか。

 不思議に自然体。


「ねさ、散歩してるの?」


「ううん、そうじゃないよ」


「近所なの?」


「うーんとね、近所かな」


 楽しい超楽しい!

 心が踊っているのが分かる。

 あり得ないあり得ない会話なんて!


 〈ガサガサ〉


「全然居なかった~、採取不発でごんす」


 あ〜彼らが帰ってきた。

 どうしよう彼らには紹介したくない。

 どうしよう、取り繕う為に彼らの方に向かう。


 数歩あるいて少女を振り返る。


 消えていた…。

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