線維筋痛症の彼女
HiYuu
第1話 出会い
私の彼女は線維筋痛症。
彼女に出会ったのは、ちょうど一年前になります。
当時の私は妻に家を追い出され、「情けない男」と言う言葉がぴったりくる人間でした。
いや!離婚者が「情けない」じゃないですよ! 私の「離婚理由」が情けないだけであり、運命であり宿命なので避けては通れない道。
なので否定する理由も無ければ、される理由もありません。っと話しが逸れて申し訳ございません。
彼女と出会ったのは「某出会いサイト」。こう言う出会いもあるんだなぁーっと思います。
その頃の私は「友人」「知人」との縁を断ち世間とは「孤立」していました。
夏と言ったら海!っと新潟へ行った「傷心旅行」の帰り道。
彼女から「某サイト」のプロフィール欄に「いいね!」を頂きました。
私は「いいね」をお返しし簡単な自己紹介文を送信。
送った後に彼女の紹介文を見ると「線維筋痛症」と書かれてあり、「何の病気?」となりました。
ネットで調べると「体内の血管にガラスが流れる感じ」や「線維筋痛症の痛みは本人でないとわからない」など。
中には『公的支援制度がなかなか活用できない』と言う文面も。
私は医者でもないし初めて聞く病名で知識もなければ想像もできない状態。 これは「直接聴くしかない!」と思いました。 「出会いサイト」なのでメールでのやり取りは可能(私は何を考えていたのか、有料登録なのに「短期お試し契約」でなく「じっくり使って長期お得契約」でもない「真ん中の中途半端」な契約をしていました…。)
初めて会う男女なので、他愛もない会話から。「新潟は海綺麗だよー」とか「そっちの天気は晴れてますか?」など。
趣味、好きな食べ物、好きなアーティストとメールは途切れません。会話に慣れて来た所で本題。
「プロフィール欄に線維筋痛症って書いてあるけどどんな痛みなの?」と聞くと「体が強張る(硬くなる)」や「一日中動けないことがある」など。
当時の私の感想は「うーんやはりわからん!」これは一度会って見ないことにはなんとも言えない…。
でもメールの返信回数や内容を見ても「病気」をうかがわせることもなく、「病気でない人」というイメージでした。(今思うと本当私は何も知らない人でした。)
時が経ちメールのやり取りも順調に進み、「某サイト」から「ソーシャルメディア」に変更。 電話番号の交換などなどに発展して行きましました。
「セミがみんみん鳴く」ある日の事「彼女」から一通のメール。
「今日はお墓参りをして花火を見て来ます。」…え?病気じゃないの?筋肉が強張るんじゃないの?っと思いながらも愚問はやめようと思い「いってらっしゃーい!」と返信。
私の離婚で被害を被った母親には、2DKのアパートで唯一テレビをおける、和室の部屋を譲りました。 なので私が世間の情報を得るのはネットと新聞。
私は、「もー限界!テレビの有るビジネスホテルに泊まるぞ!」と荷物をまとめ。隣街へ向かいました。
時刻は夕暮れ。駅は住宅街にあり一軒一軒灯りが灯されて行きます。
駅も学生やサラリーマンで帰宅ラッシュ。 おめあての電車がくるまでホームのベンチでコーヒーをすすってました。
その時、携帯に一通のメール。 「チーン」と音が鳴りロック画面にメールの文字写し出されました。「歩いて行ったんだけど体が痛くなり帰宅。 寝ます」 私は「え?体が痛くなるって…。さっきのメールから数分しか経ってないのに?」
自分の知らない「病気の辛さ」を理解できず、立ち止まってる横を家路に帰る沢山の人を乗せた電車が勢いよく走り去って行きました。
https://hiyuu.lifeでブログを書いております。
近日中には「第2回」を書きたいと思っております。
拙い文章ですが最後まで読んでいただきとても感謝しております。
HiYuu
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