夢想家気質の主人公世界
大柴 萌
プロローグ
1であり100であり
―――どうしてこんなことになってしまったのだと少年は嘆いた。
しかし少年は知っている。
世界は無情で、理不尽で、不条理で出来ている事を。
それをとっくに知っていたはずなのに、痛い程思い知らされてきたはずなのに、それでもそれが時々見せる希望という甘い汁に、麻薬にも似た効果を持つそれに手を伸ばしてしまう。
それが人の本質で、希望という光の前にはそれ以外の全てが取るに足らないと錯覚する。
その錯覚に酔いしれ、手を伸ばし、享受し、そして最後は決まってそれが錯覚だったと思い知らされる。
突き落とされた絶望は、その希望が大きい程強く、強くなり過ぎればそれは決して這い上がれぬ奈落となっていく。
少年の落ちた場所は深く·····
深く·····
とてつもなく深く·····
一条の光も届かぬ
誰の声も届かぬ
奈落の底だった。
夢想家気質の
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