第6話 「おとがする」
ざっくざっくと音がする
落ち葉を砕き 木立のなかを
ざっくざっくが鳴り響く
暗がりのなか 道のない場所
落ち葉のなかに
手が埋もれ 膝が埋もれ
やがて身体が凍りつき
ざっくざっくが迫りくる
ざっく、ざっく、ざっく
ざっく、ざっく、ざっく
ざっくざっくが木を叩き
ざっくざっくが闇を斬り
ざっくざっくが霧を呼ぶ
ざっく、ざっく、ざっく
ざっく、ざっく、ざく
ざっく、ざく
音が止み 指先に露が落ち
わずかに四肢が解かれゆく
ざっくざっくが立っている
眼光鋭くこちらを見据え
軽くしゃくった顎先に
ほの白い天空を差す木々の枝
ざっく
ぬかるみそうになりながら
ざっく、ざく
きしむ膝を振り上げて
ざっく、ざっくを睨みつけ
ざっく、ざっく、ざっく
私は落ち葉を踏みしめる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます