【詩 蒼の時間】

小箱エイト

第1話 「会うべくして、まだ見ぬひとへ」 

まだ見ぬひとよ。

待っていてほしい。

もう少しでいい。

あなたは普通に過ごしていい。

そのに、私は地力じりきを研き、

焦燥と忍耐のバランスに格闘しながら、

あなたの前にほろりと現れるだろう。


まだ知らぬひとよ。

待っていてほしい。

期待しなくていい。

あなたは侮蔑するぐらいでいい。

その隙に私は思考をまさぐって、

本質という表現に葛藤しては、

あなたの意識に忍び込むだろう。


まだ会えぬひとよ。

待っていてほしい。

そのままでいい。

あなたは自分の道を邁進すればいい。

その流れのどこかへ石となって転がって、

あなたの歩みを苛立たせるだろう。


会うべくして、まだ見ぬひとへ。

待っていてほしい。

動揺してほしい。

あなたは空気にむせて怪訝になるだろう。

その異質なものにきっと振りかえるだろう。


待っていてほしい。

あなたが私をさがす、その日まで。

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