第9話 シャナ召喚とオークジェネラル戦
巷では世界を救う勇者として俺たちのことが噂になっているらしい。
そこでSNSでゲートの情報を募集した。
助けにきてくれという依頼が殺到した。
情報を元にマップにゲートの場所をマッピングし、近場や緊急性が高いところからせめていくことにした。
交通が麻痺し、移動手段が徒歩しかないのですぐに助けに行けないのがもどかしい。
バイクの免許も無いし、もちろん年齢的に車の免許も無い。
悩んだら頼りのティアに相談だ。
『眷属召喚で馬やドラゴンのような魔物を召喚したらいいだよ。僕に任せてくれ。』
すると魔法陣が現れ、1匹のドラゴンのような魔物が召喚された。
鑑定するとワイバーンだった。
空も飛べ、炎を吐き戦闘にも参加できるすばらしい仲間ができた。
これで空の移動が可能になった。
自衛隊に撃ち落されないかが心配だが。
SNSで拡散し、みんなに認識してもらい攻撃しないようにお願いした。
『主様、わたくしに名前を付けてくださいませんか?』
「おお、念話ができるのか。姫、この子の名前は何がいいかな?」
「うーんと。シャナちゃんでどお?」
なぜ? どこからシャナなんだ?と思ったが、他に良い名前が思いつかなかったのでシャナにすることにした。
一応、♀だったので良かった。
「よろしくな、シャナ。俺たちを乗せて飛べるよね?」
『もちろんです。あと、大きさの方も変えられますので、小さくなった方が良い場合は指示してください。』
と言って鳩ほどの大きさになり、肩にとまった。
「それじゃ、今日もゲートを塞ぎに行こう。姫、準備はいいかい?」
「うん、大丈夫よ~。」と言いつつ、シャナを撫でていた。
『ティア、位置情報をシャナに伝えてくれ。』
『了解~。あと上空は寒いので防寒対策を忘れずにね。』
シャナに大きくなってもらい、姫を前に座らせ後ろから俺が抱きかかえる感じでシャナに跨った。
そして、風魔法のバリアを張り、外気が当たらないようにした。
シャナが羽ばたくとふわりと浮かびあがり、そのまま上空まで一気に飛んだ。
バリアをしてなかったら振り落とされてたかもしれない。
次のゲートまで数十km離れていたがすぐに到着した。
上空を旋回し、ゲート付近を確認すると魔物を抑えきれてなく、四方に散らばっていた。
シャナに乗ったまま上空からウィンドカッターで切り刻み、散らばった魔物を駆除していった。
ここにも上位種が居た。
ホブゴブリンだったので前回戦って攻略が見えていた。
レベルも上がっていたので苦労することもなく、新しい武器の切れ味を確認しながら倒した。
上位種の存在がもう当たり前になりつつある。
急がなければならない。
それに今回のホブゴブリンの武器には毒が塗られていた。
姫がすぐにキュアをかけ、解毒してくれたので事なきを得た。
状態異常無効を取得し、姫にもコピーした。
次の現場に移動する。
魔物が時間とともに強くなってきている。
今回のゲートにはオークが群れていた。
その中に上位種、しかもジェネラルが居た。
全力で戦わなければ危ない。
姫と一緒に周囲の魔物をファイアストームで焼き払った。
ほとんどのオークは燃え消えていったが、やはりジェネラルはほぼ無傷だった。
サンダーボルトで麻痺させ、ブリザードで足を氷着かせ動きを止めた。
背後に転移し、切り捨てた。
キズはまだ浅い。
麻痺から回復したジェネラルは持っていた斧をフルスイングしたが、足が固定されているためバックステップで避けることができた。
そのまま斧は振り下ろされたので地面に突き刺さった。
そこに姫のサンダーボルトが炸裂し、麻痺した。
俺は飛び上がり、斧を握った手首を切り落とした。
麻痺から復活しても手首から先が無いジェネラルは腕を振り回すことしかできない。
あとはシャナの爪攻撃、姫の魔法、俺の斬撃で切り刻まれ、やっと光となって消えていった。
ジェネラルを倒したため、一気にレベルが上がった。
それに期待のジェネラルの肉もドロップした。
今晩はジェネラルステーキねと姫にお願いした。
斧もドロップしたが、使う予定がないのでショップに売却した。
魔石は2倍以上の大きさがある。
とりあえず、インベントリに保管しておくことにした。
あと、オークの睾丸もドロップしていたのだが、精力剤の素材になるらしい。
不妊症の人がいたらプレゼントしようと思う。
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