一匹の魔獣と孤独な博士

@sakuteru

第1話 幸せな日々

私は、誰からも畏れられる存在だ。


ベースとしては旧世代の動物、四足歩行をするもの達のようだ。


だが、私はこれまで闘うことを全くして来ていないのだ。

…もちろん、本能としてはそこらの魔物には決して敗北はしない。

人間が如何に武装しようとその刃はとおらない。


だが、博士がなぜ私を生み出したのか、私を使えば小国のひとつは我が物に出来た筈であるのに、ただ、楽しい日々を送っていた。

そして、何一つ理由も分かっていないまま博士は消息を絶った。


私と博士は、そう。


『主人とそのペット』のように暮らしていたのだ。


「…ハカ…セ…」


…私は、聞き覚えのない声を聴いた。

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