独白
こんちゃ、ノエルはノエル。尊敬しろ。食うぞ。
好きなのは食べること。肉。肉うまい。ラーメンも好き。お菓子も好き。人間の作る料理はうまい。だから滅ぼさない。感謝しろ。
嫌いなのは野菜。野菜苦いからや。あとカロンと、同胞と、藜もちょっと嫌い。すぐにマサ助けなかったから嫌い。
でも頼んだら何でもくれるから、ちょっとにしとく。
大切なのはマサ。マサはバカ、バカな人間。たぶん人間の中でも頭一つ抜けてバカ。人間なのかも怪しい。それに変態。変態でバカでアホ。女の敵。女をおっぱいでしか見てない。たぶんおっぱい付いてたらジャガイモでも興奮する。
「ンフっ」
でも強い。ノエルを守れるくらいにはメチャ強。マサがいなかったらノエルは食われてた。感謝してる。でも普段の迷惑料でチャラ。寧ろ感謝して欲しい。
マサはノエルのこと大好きって言った。……照れる。
「ん〜」
あとはー、灰音とー、アリス。灰音はバカ。マサに好かれるためにマサの脳味噌クチュクチュした。殴られて喜ぶ変態。ドM。ずっと発情してる。ノエルの初めての女。草。
アリスはバカ。バカだけど天才。天才をドブに捨てて余りある社会不適合者。引きこもり、人間不信、陰キャ、チー牛、臆病、泣き虫、会話の時目逸らす、知ってる話題の時は饒舌、運動音痴、話す時あっ、て言う。面白い。
「……」
怖いのは……紗命。紗命苦手。殺されかけた。でも助けられたから、複雑。紗命は女の怖さを持ってる。ずっと笑ってるのに目が笑ってない。怖い。
「(フルフル)」
初めての海の外は楽しい。日本とは違った匂い、景色、息遣い、どれも新鮮で飽きない。ハンバーガーおいしかった。
逃げる形でここまで来た。
けど、別にノエルは日本を嫌いになったわけじゃない。人間の気持ちも分かる。人間から見れば、ノエルは侵略者で殺戮者。ノエルが紗命を怖いのと同じ、人間もノエルが怖い。
だからノエルが許すとか、日本が許すとかじゃない。ノエルは受け入れて、その上で我を通す。
日本が、世界がノエルを認めても、認めなくても、それは人間の自由。人間も人間の我を通せばいい。ノエルはその意志を尊重する。
……だけど、もしまた人間がノエルの道を阻むなら、もう、ノエルは容赦しない。
一般人だろうと、聖人君子だろうと、泣き叫ぶ子供だろうと、徹底的に滅ぼす。
もう迷わない。もう手放さない。ノエルには覚悟が足りなかった。それをマサが気づかせてくれた。
ノエルにはマサがいる。
マサがいれば、他には何もいらない。
例え世界が敵になっても、強力な同胞が現れても、それで死ぬことになっても、きっとノエルは後悔しない。
受け入れ、抗い、今度こそ、良い蛇生だったと笑って逝ってやる。
ノエルはもう何も怖くない。
ノエルにもう敵はいない。
――ノエルは、モンスターだ。
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