3章〜2人の人間が愛し合えば、ハッピーエンドはあり得ない〜

投稿 1



 §



『最近Noel channelの投稿なくね?』『確かに1ヶ月くらい上ってないな』『何かあったのかな?』『あの2人に限ってそんなことないと思うけど』『単純にサボってるだけだろ』『ならいいけど』『ん?』『お?』『どした?』『おいカウントダウン始まったぞ‼︎』『いきなり⁉︎』『キタキタキタキタァア‼︎』『全裸待機』『全裸待機OK』『全裸待機ハンバーガーポテトOK』『コーラも添えてOK』


『『『3』』』『『『2』』』『『『1‼︎』』』



「「――ッ来たぜぇ‼ッッ沖縄ァアアッ‼︎‼︎」」



『⁉︎』『⁉︎』『⁉︎』『⁉︎』『⁉︎』『⁉︎』『⁉︎』『⁉︎』『⁉︎』『⁉︎』『⁉︎』『⁉︎』『沖縄⁉︎』『クッソw』『ww』『待て待てこれ雲の上か⁉︎』『高所恐怖症のワイ死亡のお知らせ』『怖い怖い⁉︎』『いやァアアア⁉︎』『ドボォおおおん!』



「ぷはっ、マサ!マサ!あれ見て!」

「見た見た。てかお前ゴーグルと浮き輪どうした?」

「衝撃でふっとんだ」



『草』『いや草』『可愛い』『可愛い』『ノエルたん可愛い』『ゴミ拾え』『海めっちゃ綺麗だな』『それな』『そういや今年海行ってないな』『ノエルファンクラブの皆で行くか』『いいね』



「多分、付近の離島が全部地続きになってる。そのせい」

「えらいこっちゃ」

「えらいこっちゃ」



『えらこっちゃ』『えらこっちゃ』『えらこっちゃすぎる』『てかカオナシの身体相変わらずヤバいな』『目の保養』『濡れた』『イった』『は?ノエルたんの水着の方がいいだろ』『それな』『女神』『濡れた』『イった』『もしもし警察ですか?』



「んじゃ軍基地から一気に南に突っ切って、そのまま宮古島目指すか」

「ん」



『こいつらとんでもねぇことしてんな』『沖縄って特区の1つだろ?』『電波ないし』『そりゃ動画遅れるわ』



 ――「ふぁ〜……悪りぃ寝ちまった。あと何分くらい?」



『おいカオナシ子供に運転させんな!』『無免許運転動画に載せるとか国に喧嘩売ってて好き』『⁉︎』『カオナシ前!』『前前‼︎』『ああ⁉︎』



「今」

「今?――⁉︎ッデジャブァ⁉︎」



『あーあ』『死んだな』『南無』『南無』『安らかに眠れ。ノエルは俺が面倒見るから』『あ?』『俺が見る』『俺が』『黙れお前ら』



 ――「着火も、寝床も、シートも、俺の能力で済むじゃん。やっぱいらんくね?」

「そんなこと言ったらノエルもcellで水筒作れるし、浄水出来るし、やろうと思えば薬剤も作れるし消毒出来る」



『こいつらの能力チートだろ』『歩くチート』『歩くサバイバルキット』『草』



「でも結局魔素がなければ何も出来ない。全て能力に依存するのは危険。力を温存しなきゃいけない時の為に、現代知識を身に付けておくのは重要」



『準備できるノエルたんえらい』『えらい』『えらいえらい』『えろい』『見習えカオナシ』『そうだ見習え』『見習えバカめ』『バカが!』『カオナシだけ当たり強くて草』



 ――「ADもちゃんとついてこいよ」

「ピーピピ」



『カメラマンADっていうのか』『機械なのかな』『そんな感じだろ』『2人の戦闘について行くとかエグい性能』



 ――「シャララララララッッ!」



『デッカ蛇⁉︎』『こっわ⁉︎』『模様的にハブ』『ここまで来たらもうバケモンだろ!』



 ――「理解した」

「ここォ‼︎」

「ッ⁉︎――¬っギシャビャッ⁉︎」



『死んだ‼︎』『断頭‼︎』『エッグい』『これこれこれぇ‼︎』『血が俺を満たしてゆく』『厨二乙』



 ――「(もぐもぐ)うまっ」

「うまうま。カニうまうま」



『モンスターもこうやってみると美味そうだな』『ただのカニだしな』『蟹食いてぇ』『へぇ、原生生物が変化した物なんだ』『テレビでも言ってたな』



 ――「このカニとか、さっきの蛇とか、単純な思考回路を持った生物を見ると分かりやすい。アレらは生態系で生き残る為に、大きく、強くなって、手段として毒を持ったり、元から持ってた強みを更に強化してる。速度が早すぎる所為で特殊能力とか、別の生物に見えるけど、この変化自体は地球上で太古の昔から行われてる」

「うん」

「これは歴とした進化。だとノエルは思う。要因は数あれど、地球では何度も大量絶滅が起きてる。超大陸の分裂、隕石の衝突、今回はその要因が魔素の出現だっただけ。地球規模の災害は多くの生物を根絶やしにする代わりに、その地に新たな生命を生み出す。そうして出来た生態系の穴を、災害を勝ち残った生物が埋めてゆく。その過程こそが進化。

 今までは遺伝子によって決まっていた進化の道が、今回は魔素に置き換わっただけ。遺伝子を基にした進化論の概念は、根底から崩した方がいい」



『ほぁ〜』『なるほどね〜』『凄い学術的だな』『あながち間違ってなさそう』『ね』『このチャンネル色んな学者も見てるらしいぞ』『そりゃ見るだろ』『こういう考察滅茶苦茶好き』『分かる』



 ――「もしかしたら、異世界から来たのかもよ?地球と異世界は繋がっていて、あの黒紫の球を通ってこっちに来たのかも!逆異世界召喚よ!」

「面白い考察。学会に出そう」

「恥かくわ」



『w』『w』『俺は好きだぞw』『もしこうだったら面白いな』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る