万華鏡 ー咲き誇る星空へ誓うー(アメたぬきさん企画)
もうちょいで埋まりそうなのに埋まらない都道府県の報告。
北陸のうち、富山、石川、新潟。そして、遂には長野を制覇。
以下のリンクが元ネタ。
■【爆笑完結】緊急速報:宇宙人侵略「各県の状況を伝えよ」
https://kakuyomu.jp/works/16816452219427045148
続きが↓
■【爆笑】都道府県オープン参加小説2:宇宙人侵略その後、各都道府県はどうなっている。
https://kakuyomu.jp/works/16816452219500906547
さあ次は貴方が、我等の崇高なる、ぱんなこった教に入信するときですy――( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
――――――
辺りの空は満遍なく。
まるでカレイドスコープの多面鏡の中で散りばめられた宝石のような黒と白に溢れていた。
とは言っても、黒が8、白が2ではあるのだが、だからこそ、その儚く輝く白が映える。
私は、ここで人を待つ。
ここに、私の待ち人が来ると聞いたからだ。
私がここにきた理由――
忘れもしない。
新潟県から福島県へと続く、国道352号線の森林地帯で起きた悲劇。
あの悲劇のあと、私はリゾート地『YUZAWA』のとある民宿へ、今私の身に起きている問題の解決ができると聞いて訪れた。
その民宿は、客が到着した時には、しっかりと体温を測定し。
カウンター前はアクリル板で仕切りをし、本来であれば8部屋25名収納にも関わらず、5〜6部屋だけを使用し、最大15名までの宿泊とし、食堂も15名での食事処に縮小。
民宿でよくある和室な畳のトラップ、『チョット・ユルク・テ・アシシズンデ・イタメール』も、畳を新しくすることで回避されている。
玄関、食堂の入口、2階・3階に殺菌消毒を用意し、スリッパはお客様が見分けが出来るようにしてあって、小さなお風呂場だが源泉かけ流しの温泉は、あまりの熱さに入ることを躊躇する。
対策バッチリなその民宿。
なのに、お客様が安心してお泊りいただけるように、まだまだ対策を考えていきたいと願うとは。
この民宿の従業員や宿主は、どれだけお客様想いなのだ。まさか、神か!? と思わず思ってしまうほどにこの民宿、『ベアーインリゾート』は気配りの塊のような民宿だった。
ご主人の不器用なまでの無愛想。
あれも、ツンだ。
間違いない。
更には、『YUZAWA』の中心も目と鼻の先に有り、中心に向かう前には源泉かけ流しの外湯巡りも堪能できるのもまた魅力の一つではないだろうか。
だが、私が用があるのは、ツンな宿主の主人でも、神対応で評判の女将さんでもないし、この入り口から入って左手に進むこの民宿の宿ではない。
右手だ。
入り口入ってすぐ。
ボイラー室へと続く地下への急な階段。
従業員しか入れないであろうその場所。
その先に、いる。
私は、その先にいる、何かに、用があるのだ。
この民宿に来た理由は一つ。
私が求める何かを知るかもしれないのに求められても困るけどでも求めた先にそれがあってでも結局求めたら求めただけきっと離れていくんでしょ私なんて所詮そんな関係貴方にとって都合のいい相手なのよ違うそんなわけないだろなにいってんじゃああの女はなによあんたがあそこであの子と仲良くしてたのみてたぽん、ち、ちが、違わないぽん!……私達もう終わりぽん。ま、待ってくれ! 待ってくれ! アメたぬきぃぃぃっ!と、何かを知っているはずの聞いても知らなかったら本当に観光と良質の温泉に入りに来ただけになるので単なる旅行になるのだが未来を予測するやらしないやらで一部の本当に極一部の友達くらいしか知らないネット上で有名な占い師みたいな適当なことを発言するなんか何師?が、いる。
「要件は、なんだい?」
ぶしゅーと時折鳴る圧縮弁から聞こえる不協和音のボイラー室を抜けた先。
その先の部屋の中に、男がいた。
民宿地下の半分を占めるその部屋の壁一面に広がる、何型なのかとあまりの大きさに驚嘆してしまうその大型液晶テレビから流れるゲーム画面から目を離さず、彼は私に聞く。
この、独身貴族が、と舌打ちしたくなる心を押えながら、私は藁にも縋る思いで、自身の心の中に渦巻く思いを吐き出すように吐露した。
「鬼ごっこの、タッヂずる相手が見づがりまぜん……」
私の仲間達は、すでにアメたぬきに捕まってしまっていた。
彼等彼女等を、アメたぬきはなんのために捕まえていたのか。
誰もいないのに鬼ごっこを強要されたら、誰に鬼を渡せばいいのだろうか、誰か、教えてほしい。
「ここにいくといい」
「……?」
「ここに、背あぶらが求める、すべてがあるさ」
彼――『ベアーズ・セーメイ』は、私に紙切れを渡した。
――それが、ここ。
カレイドスコープのように綺羅びやかに夜空に拡がり、落ちてきそうなほどにぴかぴかと光る、外灯がなくとも、それだけで明るい空。
ここは、ヘブンスそのはら。
長野県の観光名所・阿智村、だ。
背あぶらは、ベアーズ・セーメイに教えられた通り、藁にもすがる思いでここに来た。
ここに来れば、鬼である自分がタッチできる相手がいる。
背あぶらに塗れたパンダだから、タッチできるかは別として。
そわそわする。
まるで恋に落ちて心をときめかせるパンダのように。
純粋なまでのその心のままに。
こんな夜中に。
こんな星空に囲まれた場所で。
パンダは、待ち人を待つ。
このようなことをしている間にも、石川県と新潟県の争いは富山王国を通り過ぎて激化し、今では統一されようとしているのに。
統一されれば、次は長野県、そして福井県へと進出し、領土拡大しては王国として繁栄するのだろう。
ただ、鬼ごっこの相手を探しているだけの私は、こんな所で、なにをやっているのかと。
今はアレによってこの長野県さえ支配下に置かれてしまったこの情勢。
私一人では到底太刀打ちできるとは思えない。
「ぽんぽこぽ〜ん」
寝そべり空を見上げていた私の耳に、声が、聞こえた。
その声は酷く懐かしい。
「待ち人は、たぬき、か……」
まさか、自分をここまで追い詰めた張本人。アメたぬきが待ち人だとは。
「違うぽん。皆いるぽん」
我らが戦隊の一人目、たぬき1号が寝そべる私の頭の先を指差す。
まさかと、体を起こしてその先を見る。
「何一人で鬼ごっこしてるのさ」
一人は、もっちり系ヒトヅマ。
頭にたぬき耳と緑なしし唐を載せた、たぬき2号。
「あははっ! 一人鬼ごっことかどれだけ寂しいのこの背あぶらパンダっ!」
一人は、頭にたぬき耳としし唐を載せたかわいい系美少女。たぬき3号。
<そしてお前が4号パンダ>
気づけば、我らが戦隊の謎の上司の頭の上にいる子だぬきが目の前で私に手紙を広げて見せてくる。見せたら震えながら上司の頭の上によいしょと登っていくのがまたなんなのかと思う。
「……いや、みんなたぬきだから待ち人たぬきは合ってないか?」
「全員たぬきではないな。私はネコだし」
そう言って私の肩を叩くのは、地下組織から私達の仕事を拾ってくる敏腕マネージャーのイケメンネコ耳男性。
そうか。
この時のために、アメたぬきは皆を捕らえていたのか。
アメたぬきの先見の明に、私はくすっと笑ってしまう。
……じゃあ、なんで私は一人鬼ごっこさせられていたのだろうか。なんてそんな疑問はこの際無しにしよう。
「さあ、行くんだぽん。ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人と、我等戦隊は勝つまで、終わるともしれない悠久の鬼ごっこするぽん」
1号たぬきは何もかもを無視して話を続ける。
そんなたぬきに呆れながら私は立ち上がり、背あぶらにまみれたパンダスーツについた埃を払うと、そこに集まったたぬき達を見る。
埃じゃなくて背あぶらを払えって?
……無理だろ。
「揃ったんだな」
「集めるのに苦労したぽん」
「揃えば無敵、なぜなら私達は――」
私達は、この世界を護る、ヒーロー達。
そう、私達は――
「「「「「$%!#=仝々@隊だからっ!」」」」」
誰ひとり揃わないのは、私達の真骨頂。
「さあ、行こうか」
この日本を、各独立した都市と共に秘密裏に護る独立国家富山王国を蝕み四面を言葉巧みに揺さぶり滅ぼそうと企む、ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人に乗っ取られた県、石川県と新潟県、そして長野県を救うために私達は立ち上がる。
私達の名は――
――桃色。
桃色たぬき戦隊。
――――――
さあ。
ぱんなこった教は、いつでも皆様を、お待ちしております(−人−)
今こそ、ぱんなこった大楽園にて、まろと握手!
※そんな宗教はありません。(●´ϖ`●)
■特別出演
たぬき1号 :アメたぬきさん
https://kakuyomu.jp/users/amelish
たぬき2号 :かしこまりこさん
https://kakuyomu.jp/users/onestory
たぬき3号 :ko-todoさん
https://kakuyomu.jp/users/ko-todo
たぬき4号 :仁志 水ぎわさん(パンダ本人さん)
https://kakuyomu.jp/users/matsuko0421
謎の上司 :無雲さん
https://kakuyomu.jp/users/moonlit_fables
マネージャー:杉浦ヒナタさん
https://kakuyomu.jp/users/gallia-3
まあ、私、この話をたぬき4――たぬき!? いやパンダでしょ! な4号さんに見られたらどれだけ怒られるのかと思っております(笑
休止中から早く戻ってこられることを願いつつ。
咲き誇る夜空に、
乾杯。♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪
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