それでもJK勇者はセーラー服を脱がない。

ファミ通文庫大賞用 あらすじ

　高校２年生の宮園朱莉は、修学旅行中のバス事故によってクラスメイトたちと一緒に死んでしまう。が、何故かあの世の入り口で再び意識を取り戻すと、彼女の目の前に現れたのは一人の女神。

　アスティーナというやたらと態度がふてぶてしいその女神は、死んだ朱莉に異世界転生を強要する。恐ろしさで始めは躊躇する朱莉だったが、同じバス事故によって死んでしまった幼なじみの高橋和希が他の世界に転生したと知り、彼と同じ異世界に行くことを決意。

　大切な幼なじみと会う為にセーラー服のままで異世界へとやってきた朱莉はそこで奇跡的に和希と再会を果たすも、彼はまさかの記憶喪失。しかも朱莉自身は異世界の住人に勇者として崇められ、そして和希は白魔術士になっていた。

　さらに他のクラスメイトたちも同じ異世界にいることを知るも、みな異世界ライフを満喫していてキャラが変わっていた。

　かつてはクラスのムードメーカーで、今はヘビメタ大好きの女騎士の三谷志保。

　呪文の代わりに歴史を唱える歴史オタクの黒魔術師、浅田詩織。

　さらに、元いた世界では立派な担任であり尊敬すべき大人だったはずか、異世界にきてただの性欲の化身となってしまった遊び人、松本先生。

　衝撃的なキャラ違いを遂げているかつての知り合いたちに戸惑う朱莉だったが、JK勇者となってしまった彼女自身もまったく望んでもいない魔王討伐の任務を課せられてしまう。

　そんな彼女に次々と襲いかかってくる異形のモンスターたち。

　定番のゴブリンはもとより、超巨大イモムシ型のモンスターや時には魔王直属の四天王など。朱莉は鎧も兜も身につけず、セーラー服のままでそんな強敵たちに挑んでいく。

　最初はただ幼なじみに会う為だけに異世界にやってきた朱莉だったが、そこで出会った仲間や、そしてかつてのクラスメイトたちとの関わりの中で、少しずつ勇者としての自覚が芽生えていく物語。