なんだこれ?


作者からのお願い

この物語の舞台は中国になっております。

コロナの影響で日本人の中国に対する偏見をどうにかできんものか?

と、考えていたところ。

そうだ!!小説の力ならば何とかなるのでは⁉と、思い書いた小説です。

物語の中ではキャラクターが中国語を言うこともありますが。

セリフの下にきちんと翻訳を書いてあるのでご安心ください。

日本の学校とのギャップを感じて頂けたら幸いです。

なお物語に出てくる団体、施設は実際にあるものもあるので興味、質問があればコメント欄に書いてくれると嬉しいです!!


注意*この物語はフィクションです


=====================================




 なんであの先生はいつも他人任せなんだ!


 授業が終わった後に忘れものに気づいて中国語教室に戻ると教室でスマホをいじっていた先生につかまり雑務を押し付けられるはめになった。


 この学校は中国に「上海商工クラブ」という団体と日本からの補助金、上海にある日系企業の寄付金により出来た学校だ。


 中国にあるということで学校の授業に中国語会話を取り入れている。


 この学校の名前は『浦東校ぷうどんこう


 大体の人は察しているのはないでしょうか。

 

 そう、ここは日本ではない…

 

 くそう!!もしも日本ならば今頃ラノベみたいな展開になっていたかもしれないのに!!


 来てもう2年になるのに未だに納得していない。


 だってそうだろ?小5の時に学校から帰っていきなりリビングに呼ばれて。


 いつもなら帰りのおそい父が家に帰っていて。


 「父さん、会社の都合で中国に出張することになったんだ。」

 

 とか言われ。「数年向こうにいるかもしれない」「6年になったら中国にいくからな」


 もはやいきなりすぎてなんて返事したらいいのかわからなくなり。


 そのあと「わかった...」

 と言ってしまったあの日の自分を今思いだしただけで本当に張り倒したくなる。


 などと思っているうちにもう図書室の前に着いた。


 今は授業中なので図書室には人がいない。


 「さて、ちゃっちゃと終わらせるか~」

 

 持たされた段ボール箱をテーブルにおいて早速開けてみる。


 すると中には隙間なく詰められた本がぎっしりと入っていた。


 「くそ、だからやけに重かったのか...こりゃあ先生も運びたくないよなぁ」


 よく見てみると全て中国語で書いてある。僕は日本人と中国人のハーフなので

 余程よほど難しい字ではない限り読めるのでせっかくだしと、本の内容を見てみることにした。


 「どれどれ~『三国志』、『漢詩集』、これはなんだ?『吾輩は猫である』かな?誰が中国語訳のなんて読むんだよ!!」


 それから出てきたのは日本の有名小説や、よく分からない歴史の本ばかり。

 

 「本当に誰がこんなの読むんだが、しかもご丁寧に全て中国語で書いてある本ばっか!!」


 多分この学校がなくなるまで人のてに渡ることはないであろう本を僕は全て段ボールにしまいカウンターの後ろに置いておいた。


 「これでよし!!」

 

 これで任された雑務は終了。

 普通ならこのまま教室に戻り途中から授業に参加しなければいけないのだが。

 今は僕の嫌いな社会の授業なので、雑務のことを後ろ盾にして図書室で本を読むことにしよう。


 この学校の図書室には何といってもライトノベルが置いてあるのが凄い。(これは本当です)


 以前クラスメイトの男子と色んな本棚を見てみたら『ソードアート〇ンライン』が今まで出ている全巻揃っていることに気づいて驚いた。

 

 ファンである者として全巻読みたいのだが日本の本があまり売られていないので。正直困っていたのだ。中国の通販サイトで見てみたら100元で売られていた。(1元が日本円にして大体15くらい)完全にぼったくりである。


 

 その時カウンターの上に随分と地味な本があることに気づいた。

 なんだか中国の古い資料みたいな本。


 手に取ってみると表面がカサカサに乾いていた。

 こんな本はなかなかお目にかかることはできない。

 感触から年代物であることがひしひしと伝わってくる。

 

 中に何が書いてあるのか確かめたい欲望に負けて表紙をめくった。


 その瞬間視界が真っ暗になり、体が力を失ったように床に倒れた。


 この本に関わった事を僕はこの後、後悔する。

 



 

 

 

 

 

 

 


 


 


 


 

 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る