『角』という個性があるからこそ起きる差別に立ち向かう者達の物語。『角』がある事で今ある差別はなくなっているのかもしれませんが、その代わりに新しく差別が産まれてしまっているという堂々巡り。きっと、これが『角』ではなく『尻尾』や『羽』なんかでも同じ事が起きるんでしょうね。
美しいもの、というテーマの小説でこんな作品が見られるとは思わなかったです。テーマとの戦い方、向き合い方に明確な怒りが込められていて、主人公自身もこれは義憤なのか私怨なのか葛藤する感じがとても小説的でしびれました。でも主人公の怒りが仲間を見つけるきっかけになるんだから、きっとこれはハッピーエンドなんだと思います。すごい良い作品でした。
短編と考えると最適なボリューム。最小限の表現で奥行きのある設定と世界観が感じられましたの。もっと、続きが読みたくなりましたわ。(๑˃̵ᴗ˂̵)