第2話
昔は多くの人でにぎわっていた海も、ごみや工場排水によって当時の水の透明度を失い客足はまばらになっていた。それでも、海の家はちゃんと開いている。
ほとんど人がいないビーチ。小型犬を散歩する夫婦がしゃべりながら楽しそうに歩いていた。
私のお目当ては海ではなくて、海の家なので開店するまで貝殻を拾うことで時間をつぶすことにする。ちいさいもの、大きいもの、白色のもの、ピンク色のもの、何かに使えるかもしれないし、使えないかもしれない…。
多分8時くらい、おなかがすいてきた…。海の家のシャッターが開き、サングラスをかけた色黒のおじさんが白いタオルを頭に巻き付けて、海を眺めていた。相変わらず人のいない、サーフィンに向かない穏やかな海に飽きたのかお店の奥へ入っていった。
わたしはすかさずアイスの冷却器の横にぴったりと張り付いて、息をひそめる。そのころの私の夢は、1位地球外生命体、2位ドラえもん、3位座敷童だった。ちなみに、今は2位が魔女に変わった。現在、大学生…。
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