第40話妹はお兄ちゃんが欲しい

「生きる」というのは孤独な作業だ。


 ただ、それだけの理由だった。

「誰か」が欲しかった。


 だから私は「お兄ちゃん」が欲しかった。


 ある日、家に帰ると知らない女の人がいた。

 その人は「お母さん」だと名乗った、実際のところそれは事実ではないけれどそんなことはどうでもよかった。


 その人には子供がいた。

 その子は私よりも年上で……「お兄ちゃん」を名乗った。

 私はそれを神の祝福だと思った。

 灰色だった世界が色を持って生きることが楽しくなった。


「お兄ちゃん」は私を妹にしてくれた、それはとっても素敵なことで……


 私は妹としてお兄ちゃんと共にいたいと願った。


 きっとこれは期限付の関係だろう、それでも今この時が永遠に続くように願う。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る