『勇者』って山に捨てられるっけ?
YuU
第1話 僕は捨てられた
とある日、俺とクラスメイト、総勢30人が異世界に召喚された。僕とクラスメイト達の前にいたのは美人な女性だった。
「私はこの国、バールド王国の王女、サンチェ・バールドと言います」
と目の前にいた美人が言った。へぇ、確かに王女ぽいな。気品があるというかなんというか…。
「なぁなぁ、これラノベでよくあるやつなんじゃね?」
そう聞いてきたのは、僕の幼なじみである、川野 智である。幼稚園からずっと一緒。趣味はラノベを読む事で僕と一緒。
「確かに!勇者を召喚して魔王を討伐するとかの話が多いよな」
「だよな!僕、勇者が良いなー」
僕と智で話していると王女が「早速、ステータス確認をしましょう」と言われたので、とある部屋に連れて行かれた。クラスメイトでは男達は乗り気だけど、女達はあんまり乗り気ではなく、「帰りたい」等と言っている人が多かった。
「ここは、ステータス確認をするための物が揃っている部屋であります、早速確認していきましょう」
そう言った王女はどんどんとステータス確認が行われ、遂に僕の番となった。智の職業は賢者だった。そしてステータス確認をして、自分の職業を確認した。
カミヤ・リュウヤ
性別 男
職業 勇者(記憶力アップ)
体力 100
筋力 100
魔力量 150
これを見たら俺はびっくりした。僕が勇者!僕が主人公なんだ!と、思いながら。そう思っていると王女がこう言った。
「カミヤ・リュウヤさん、貴方は私について来て下さい」
そう言われたので王女について行く。いやー、まさか俺が勇者になるとはなー、これから僕は魔王を倒しに行って、倒した後はこの美人な王女と結婚かも。そう思いながらついて行くと、とある部屋に連れてこられた。部屋に着くと王女は俺にこう言った。
「非常に申し訳ありませんが、貴方は要らないので山に捨てます、死なないようにがわばって下さい」
ん?ちょっと待て。僕が思ってたんとちがうんですけど…。勇者って捨てられるっけ?そう思った僕は王女に質問した。
「え?勇者って捨てられるの?」
そう質問した僕に王女はこう答えた。
「非常に申し上げにくいのですが、勇者は異世界召喚でしか居ない職業の中で最も弱く、魔王を討伐するには…ちょっと…そのせいで毎回召喚された勇者は山に転送される事になってるんです」
そうかそうか、勇者って弱いんだー。ふーん……思ってたんと違うんだけど…。
「こっちが勝手に呼んでおいて山に捨てるというのは悪いとはおもっているんですけど、こうしないと、周りの貴族達から反感を買う事になってしまうので…本当に申し訳ございません。とりあえず、1週間分の食べ物と街に行く時の為にお金もお渡ししておきますね、死なないで下さいね」
そうだったのかー。この王女、本当に優しいなー、要らない存在の僕にこんな事をしてくれるなんて。
「分かりました、頑張ります!」
「はい、私も、応援しておりますので!山に転送しますね」
そう言ったら目の前の景色が一瞬で変わった。目の前は山の木がずらりと並んでいて、ウサギやら鹿がいっぱいいた。以外と平和的で良いじゃないの。
「とりあえず、山の中を散策しようかな」
そう言って僕は山の中を散策するため、足を動かした。
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