受け入れた福音
え? ラスト俺視点なの? ヒマだから俺もナタデココでも食いに行こうと思っていたところだったのに。
(言っとくが、俺はアシジーモ。決してカギンじゃないぞ。キャラの書き分けが下手な作者のせいで、野暮な注釈を入れるはめになった)
俺視点になったのは、おそらく、池の畔で2人の泣き声が聞こえたからだ。このままどちらかに書かせると、泣き声ばっかりの文章ができそうだからだ。
カルザーナが……あのお転婆が……あんなに泣いているのを初めて見た。
「サーイ、ごめんね……ごめんね……
「どうして……カル様、謝らないでよ
「だってだって……私、あなたの……おじいちゃんに……ひどいことしちゃったもん……あれは、(ぐすん)ごねんまえ……
―――――†―――――
涙声でちゃんと聞き取れないだろうから、俺が代わりに説明せざるを得ない。
あれは、5年前。
俺はまだ、マジック・ローダーではなかったが、あとで議事録を見ているので知っている。
マージを追放する決議を出した、あの会議。
その中で、マージがこういう弁明をしていた。
「
それを聞いたカルザーナは、猛烈な怒りとともに発言したという。
「嘘つくな! 私の父上が、そんな、700年も続いたマジック・ローダーの存在自体を否定するようなものを作らせるなど、絶対にあり得ないことだ! 妄言もいい加減にしろ!」
すでに鬼籍に入っていた父の発言の真偽について、確認するすべもなく、マージの弁明は相手にされなかったのだ。
―――――†―――――
「カル様……そんな昔のこと、過去のこと……もう気にしないで……私は、カル様とイサキスに、これから幸せになってほしいから……だから、返しにきたの。キュレビュ」
「サーイ……ありがとう……でも、こんな杖、いらないよ」
「そうだよね……」
2人はその杖をつかんだかと思うと、池に向かって……
おい!
そんな貴重な、形見の杖を投げ捨てる演出はどうかと思うぞ。
俺はたまらず、声を出してしまった。
「ちょっと待てよ、ツンデレ姉妹さん!」
「「アシジーモ!!」」
涙まみれになった2人が訴える。
「「絶対について来ないで、って言ったのに!!」」
「なんだよ、その接頭辞つきだったら遠慮なくついて行ったのに……で、どうするんだカルザーナ、『滅びの魔法』。滅びるに任せるのか?」
「こんなマジック・ローダー、滅びちゃえばいいんだよ!」
それ、
Magic Loaders @hoge1e3
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