第63G話 削除されたエピソード

 とにもかくにも、リークデバイスの設置は成功したから、まもラボに帰るとするか。



 あれ?

 せっかくがんばったのに、出迎えもなしかよ。いや、ないほうがいいんだけど。


 奥で声がする。

「その本は、こっち……、あーそおじゃなくて、こっち! ちゃんと名前の順番で並べるんよ!……それは異世界ファンタジーだから、ラブコメの棚にいれちゃだめだって!」


 へびたつが資料室で本を並べている?


「あー、帰ってきた! ほんと、あんたのペット、わけわからんよ。さっきまで本を荒らしていたと思ったら、きゅーに片付け始めちゃってさ、あたしはお話できないしさ……何考えてんだか。」

 何考えてんだか聞いてみよう。


「missyon konpuri-to, ore ganbatta 」


 は? お前本散らかしてただけで何もしてないだろ、何がkonpuri-toだ。


「帰ってきたんなら、ダーリンも手伝ってよお。さもないと、ハグしちゃうぞ!」

 や、やります……

 俺もそこら中に散乱した本を取っては本棚に戻していった。

 一冊の本に目が留まった。

 目が留まるのは、お片付けには害悪でしかないが、留まった。


 その本は『レア・ドラゴンズ』というタイトルだった。その本の第59話が開いていたが……ページをめくっていくと、第61話になった。

 あれ? 第60話は?

 目次を見てみると……やっぱり第59話の次が第61話だ。第60話がない。

 変な本ー、第59話の次に第61話が来るなんて、そんな小説なんて絶対あるわけないのに……うわっ!

「ダ~リ~ン、サボってる~」

「おわーー、ごめんなさい!!」

「あのぅ、お片付けもいいですが」

 と、とりがナイス割り込みを掛けて見せてきたのは、例のあいでぃ?が、あの町の人数分印字されたながーーーーーーーーーーーーーーーーい紙だ。


「あ、れたんね、これで、あとはおじいちゃんのめえぼと突き合わせるだけだね!」

 だけだ、と気軽に言いよるので、

「そんな名簿どこにあるんだよ」

「おじいちゃんが、昔、会議をしていた場所がこのへんにあるってゆー噂だけどー」

 会議をしていた場所……このへん……あ!


 六芒星のあったあそこ、か?

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