第61G話 もう一度出直さないで済んだ

「スベテノリークデバイスヲ、セッチシマシタ」

「よし、リークデバイスを起動させるぞ」


 俺たちは、ついに3つ目のリークデバイスを設置しにきた。よし、これでじいさんの居所がわかるぞ。


「やったぞ、起動に成功した!」

 おおお、できたのか、ていうかスゲく順調じゃねぇか。これ、展開としてどうかと思うぞ。誰か邪魔しにきたりしないのか? されたら困るけど。そういや、いつもやってくる囚人番号60のひとも来ないし。緑ドラゴンの調子が悪いのかな? まあいいや。


「で、これって起動したら何が起こるんだ? じいさんはいるのか? いないのか?」

 といったら、とりあたまのやつ、

「そこで、技術的課題その3だ」

 ……今更それかい。


 すると、リークデバイスから何か紙のようなものが出てきた。

「お、来たぞ」


9d85249a-1a44-46e1-93cc-a33271b78e9d

a827ba61-8d7f-422e-bd92-50a9ccafadf1

7c9bd02e-237f-4b46-971d-e0580f8aba14

bbb71efc-8336-4a52-9d92-b36759c43dc9

7d5dd6f8-70b3-4062-99f4-6c910941d53b

:

:


 なんじゃこりゃー、また打ち込むのかよ!

「いや、打ち込まなくてもいいのだが」

 あーよかった。

「というか、なんだよこれ」

「これは、リークデバイスで囲まれた三角形の中にいる魔物(人も含む)のIDを表している」

 あいでぃ?

「生まれながらにして魔物(人も含む)が持っている、他の魔物(人も含む)とカブることのない文字だ。もちろん、じいさんにも、じいさん以外は持っていないIDが割り当てられている。この中からじいさんのIDを探すんだ」


「ええと、ちょっとまて? これって、この町にいる人全部のあいでぃ?が延々と出てくるか?」

「そうだ」

「で、じいさんのはどれだよ」

「……知らん」

 聞いておいてなんだが、そう来ると思った。

「つまり、技術的な課題って、このあいでぃ?がわかったところで、そいつが誰だかわからんってことだな」

「ご名答」

「感心している場合じゃない、どうするんだ」


「昔聞いた話だが、このIDは、マジック・ローダーたちが正式な会議を行う前に、本当に本人たちかどうか確認するために使っていたとかいう話だぞ」

「名前とあいでぃ?を紐づけた参加者名簿みたいなのがあるってことだな……」

「というわけで、カギン、お前貰ってこい」

「おいとりあたま、俺はアイツらに嫌われてるんだ、『見せてくれ』いうて見せてくれると思うか?」


「そうだな……弱みを握るとか?」

 弱み? なんだよそれ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る