小さくて温かい手

坂元華子

 はじめに

昼間は誰の目にも留まらず忘れ去られている建物。夜になるとブオーン、ブオーン、とバイクの音が響き出す。そこには親から見放され、教師には社会のゴミだと罵られて、人の温度を忘れた者たちが集う。誰からも信用されずに必要とされていない。これはそう感じている者たちのちょっとおバカな日々の物語。

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