プレゼントと少年

なるこ葉

第1話

プレゼントと少年


ちがう、これもちがう。こっちでもない。

どれがいいんだろ、どれなら喜んでくれるだろう。

だいすきなんだ、だからとっておきをあげたいんだ。

はーとのねくれす、おはなのゆびわ、おいしいおかし。どれもいいけど、全部同じ笑顔が浮かぶ。

そうじゃない、もっともっと、笑ってほしいから。これじゃないんだ。

おこづかい全部だしてもいい。

だいすきだって、伝わってほしい。

夕ぐれの中、見つけたお店は宝石のようにかがやいていて、ぼくは急いで入った。

そこで見つけたかみどめはなによりも輝いていて、これだとおもった。

その日の夜、とても幸せなきもちでねむった。明日、君が喜ぶ顔を考えながら。

でも、朝見たら、魔法がきれてたんだ。

そのかみどめはただのかみどめにみえた。

ぼくは泣きながら君の元へいった。

君はどうしたの?ときいたので、ぼくはすべて話した。

プレゼントをあけた君は、泣いていた。

そして、大きな笑顔で、ありがとうと言ってくれた。

見たことのない顔に、ぼくはまっかになってしまったよ。

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プレゼントと少年 なるこ葉 @mandr

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