俺の好きな優樹菜さん、今日から義妹になりました。
黒猫(ながしょー)
一年生
一学期
プロローグ
親父がつい先日再婚した。
前々から結婚を前提にしたお付き合いをしている女性がいるということは耳にしていたのだが、俺はその人と一度も顔を合わせたことがない。
写真では一応見たことがあり、とても優しそうで綺麗な方ではあったけど、相手方の都合や俺の都合がなかなか噛み合わず、結果的にこのような形になってしまった。
一度も顔を合わせず、再婚はどうかと思うところはあるが……まぁ、二人が決めたことならそれでいいだろう。
親父によると、どうやら相手方は向こうの家の引越し作業とかがあるらしく、今日の昼頃にこの家に来るらしい。相手方にも俺と同じ年くらいの女の子がいると聞いているもんだから、上手くやっていけるだろうか?
兄妹がいる友人の話では結構関係性がシビアとか聞いたことがあるし。
俺に妹……いや、姉か? どちらにせよ兄弟ができるわけだ。
––––どんな子が来るんだろう……可愛い子だといいなぁ。
そんなことをずっと思いながら、自室の掃除を進めていると、インターホンの音が家中に鳴り響いた。
俺は掃除を一旦中断し、親父とともに玄関の方に向かう。
午後一時過ぎ。
ちょうど約束の時間帯だ。
このドアの向こうにはおそらく親父の再婚相手とその子どもがいる。
俺にとっては初対面だ。手に汗を握りながらもドアノブを捻り、扉を開ける。
そして、その向こう側にいたのは……
「え……?」
俺の好きな人だった。
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