ナイトメアサバイバル2

絶望。かつて、この惑星そのものが生を諦めたかのように絶望した。その自殺衝動は銀の波となって星を覆い、大いなる厄災となった。まさにその再演であった。


この世界の遠未来における成れの果て、代替の悪魔どもは生きているこの世界を、かつて自分であった者たちを呪い、遠未来からやってきた。この世界を堕とすために。


それこそがこの能異頭、世界の法則と因果を捻じ曲げる狂った願望の獣達だった。能異頭が遠未来の主人達の望みに応え、星の自殺衝動の波の如くヴァルハラの闘技場を覆っていた。


数が多い。マカネは瞬発的に愛機へと戻り、敵を見定めた。仮面を被った蜥蜴めいた異形が群れをなし蹂躙を行っていた。悪夢である。不正の目撃者である観客達はそれを外に伝えることなく貪られていった。


「マカネ……。マカネ……」ツボミが狼狽する。戦いに必要なものはまず勇気だ。それを失ったツボミのアームヘッドを能異頭の群れが見定めた。まずは動きの鈍いものから始末すべく迫ってくる。


這うように動く能異頭の動きがさらにツボミの恐怖を煽る。マカネは自らの機体の手でツボミの機体の手を取り、逃げようとする。体勢を立て直さなくては。だがツボミは、ツボミの機体は動かない。動けない。恐怖が束縛する。


マカネは逡巡する。一瞬、危険な考えがよぎる。この手を離し、彼女を見捨てるか?否、ここで戦うしか……。その瞬間、能異頭の戦列が爆裂した。


DREAMCATHER!ダイセンだ!「一時共闘だ。やるぞマカネ!」

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