バレンタインクラブ2

対峙!2機のアームヘッド!μTメシアタイプが対峙する!片方は横手蕾ツボミ・ヨコテのシザーバスター!もう片方は茶色い機体μT・cacaoである!蕾は気が気ではなかった。敵が強敵だからでは無い!真鐘マカネのことであった。それゆえに蕾の蟹ロールヘアもいつもより精彩を欠き毛が飛び出ていた。蕾は思い出す……


あの胡乱な女、山田アイリーンが急に変なイベントをバレンタインとかと言ったか?を始めるというのだ。バレンタインとはかつての伝説的な世界を揺るがしたセイントメシアパイロットである聖女の誕生を祝う行事で超強いアームヘッドパイロットに大量のチョコレートを貢ぐというイベントだというのだ……

わたし蕾はアイリーンをそもそも信用していない。セシルもそう言っている。なぜわざわざ真鐘がこのヴァルハラ地区に来る必要があるのか?わたしが彼女の肉体を取り戻しトリフネ地区に持ち帰れば済む話ではないか!真鐘をアイリーンは連れて来たかったのでは?彼女の操縦の才能を必要としていた……?

それはともかく!チョコレートである!真鐘がわたしが知る限りのアームヘッドパイロットの中では最強であり伝説のアキナを継ぐ者であることに異論の余地は無いのだ!ヤツの邪悪計画に乗るのは癪に障るがチョコレートを大量に真鐘にプレゼントせねばならぬ。やましい気持ちは無い。ただの示威行動だ。

カカオを倒しシザーバスターがハサミを高々と掲げるとプロテクトシールドに守れた闘技場の観客たちは歓声を上げ勝者を称えていた。だが勝者である蟹は後輩お嬢様へのチョコレートプレゼントで頭がいっぱいで機械的に勝者儀礼を行っていた。

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