バレンタインクラブ

バレンタインクラブ1

むかしむかし、あるところに蟹がおった。蟹はチョコレートを神さまからもらい大切にたべておったそうな。蟹はチョコレートがだいすきでしあわせな日々をすごしておった。だがそのしあわせもおわる日がきた。チョコレートがもうひとかけらしかのこっておらぬ。これをくったらもうおしまいじゃ。

蟹はいちるののぞみをかけ、チョコレートを地面にうめた。こうすればチョコレートの木がなるとしんじて。そしてきせきはおきた。チョコレートをうえたところからちいさな葉がかおをだした。蟹はおおいによろこびそれにみずをやりそだてた。月日がどんどんたち、チョコレートの木はそだっていった。

だが話はそうあまくなかった。チョコレートだけに。チョコレートの木になったのはチョコレートではなくカカオだった。蟹はそうとは知らず友人の猿にチョコレートの実をとってくれるようたのんだ(じぶんではとれないので)。だがそれがふたりのゆうじょうをひきさいた。かたい実を猿は食べれなかった。

猿はげきどし蟹と猿のあいだでせんそうがはじまった。ぞくにいうサルカニガッセンである。せんそうはかぎりなくつづき、カカオの実がチョコレートになることなどわすれさられた。……これがバレンタインの起源である。


◎マジックブレイカーバレンタイン特別編◎


『バレンタイン・クラブ』


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