白い布に隠されたデッサンのまま移し込んだ線が、光の上で融解した。匂う薬品は瓶から出して、紙に染めて詰め込んだ。私の鼓動にあわせて、お腹の紙も隙間を埋める。虫止めには詩集を破いてあげた、彼が癒してくれるのは1週間の思い出と消せない火傷痕。絨毯に血を吐く猫を思い出して、クシャりと音の聴こえた気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る