第618話 サラ!コナー! ぃ
ということで、このアナ●プラグ似たような道具についてタカト君に解説してもらおうではないか。
はい! タカト君、お願いしゃぁ~す!
「聞いて驚け! コレこそ! その名も!『エロ本カクーセル巻』取り換えプラグだぁぁぁぁぁぁぁ!」
と、得意げに叫ぶタカトを前にビン子は首を傾げた。
「あれ、タカト……『エロ本カクーセル巻』って、その腕に巻いてある奴じゃなかったっけ?」
と、タカトの左手首に腕時計のように巻かれた一つのバンドを指さした。
さすがはビン子ちゃん! タカトの作る道具のことを、よくご存じでwww
そう、このバンド、第七駐屯地のバンドコンサートでアイナとチビ真音子が衣装チェンジに使った融合加工道具である。
実はこの道具、粒子状に分解された物質をそのバンド内の異空間に格納することができるのだ。
そして、開血解放と共にその粒子を放出し元の物体へと戻すのである。
すなわち、あらゆる物質を格納できる優れものなのだ。
だが、『エロ本カクーセル巻』はすでにタカトの手に巻かれている。
ならば、このアナ●プラグは何だというのだ?
というか、この形……黒光りをしたナスのプラグ……どう見てもバンドというには程遠かった。
頭の上にハテナマークが浮かんでいるビン子を見ながらタカトは鼻で笑うのだ。
「馬鹿か!お前は! 俺の話をちゃんと聞いていたのか? これは『エロ本カクーセル巻』の取り換えプラグ! 取・り・換・え・プ・ラ・グ!」
「取り換えプラグ?」
ますます意味が分からないビン子ちゃん。
というのも、以前のタカトの説明では、この『エロ本カクーセル巻』には巨大エイの魔物である
その胃袋は、無限の異空間につながっているという噂で、あの巨大な体を支えるエネルギーを無尽蔵に蓄えているらしいのだ。
すなわち、その蓄積量は無限大! のはず……なのである。
そんな容量無制限の『エロ本カクーセル巻』に取り換えプラグなど必要なのだろうか?
「実はな……俺は作ってから気づいたんだ……」
神妙な面持ちでボツリボツリと言葉を絞り出すタカト。
こんなまじめなタカトは珍しい。
「異空間に取り込まれた物体は粒子状に変換されて漂っているものだと思っていたんだ……だが、それが、どうやら……元の形で漂っているようなんだ」
一応、タカトの説明を真面目に聞いているビン子であったが、言っている内容がさっぱり分からない。
「そんな状態だから、ごくまれに物質と物質が異空間内で衝突することがあるんだ……」
異空間内は宇宙と同じ。
重力から解放された物質は高速移動をしている。
そんな高速移動を伴った物体同士がぶつかり合ったとしたら、その衝突エネルギーはいかほどのものだろうか。
もしかしたらビックバンに匹敵するかのようなエネルギーを生み出しているかもしれない。
そんなことを考えるビン子は、握りしめた手のひらに汗がにじむような感覚を覚えていた。
――も! もしかして! 『エロ本カクーセル巻』の中で新たな生命が誕生したのかしら!
「これを見てくれ……」
タカトは、そういうと『エロ本カクーセル巻』を開血解放した。
先ほどまで何もなかった手のひらに1冊の本……エロ本が握りしめられているではないか!
しかも、なんとそれは! 無修正!
タカトはそんな無修正のエロ本をパラパラとめくると、あるページをビン子に見せようとした。
だが、その瞬間!
「何!見せとんじゃい!」
ビシっ!
と、当然のようにタカトの頭をビン子のハリセンが勢いよくシバいていたのだwww
「痛てぇな! エロを見ろと言ってるんじゃねぇよ! このページのこの現象を見ろと言ってるんだよ!」
「えっ? なに?」
と、キョトンとしたビン子はエロ本の開かれたページに目を落とした。
そこには両腕で胸を隠した巨乳のお姉さんがM字開脚をしながら恍惚な表情を浮かべて舌なめずりをしているではありませんか。
「何!見せとんじゃい!」
ビシっ!
やはり再び、タカトの頭はビン子のハリセンによってしばかれていたwww
「ちげぇよ! よく見ろ! ココを! ココ!」
頭をこするタカトはページの真ん中を必死に指さす。
そう、そこは女性の神秘が宿る場所!
M字開脚によって、どうだと言わんばかりに主張される場所なのである。
当然、そこには蝦夷アワビが引っ付いていた……
いや、引っ付いていると思っていたのだが……
ビン子の目に映ったのはタコ!
そう! タコさんウィンナーだったのである。
「あれ……これって、男の子?」
「ちげぇよ! ちゃんとした女だよ!」
「ならこのタコさんウィンナーはなに?」
「だから、タコさんウィンナーなんだよ!」
ちなみに、読者の皆さんが何を想像したのかは知らないが、あくまでもこのタコさんウィンナーは本物のタコさんウィンナーなのである。
そう、タカトが開いたページの女性の股間にはドーンと赤色のタコさんウィンナーがペッチャンコになってシールのように引っ付いていたのだ。
これによって本来、見えるべき蝦夷アワビが隠れて見えない。
ならばということで、タコさんウィンナーを引っぺがそうとしても、その衝突のエネルギーが凄かったせいか引っ付いて取れないのだ。
そんなものだから、タコさんウィンナーを無理やり引っぺがそうものなら……蝦夷アワビがビリっと破けてタコつぼのようなブラックホールになりかねないのである。
「……だから……何……」
白い目でタカトを見つめるビン子ちゃん……
そう、ビン子にとってはどうでもいい話。
ビックバンなどと宇宙の壮大な神秘を期待していたのにもかかわらずタコさんウィンナー?
まったくもって、意味が分からない……
「あほか! 女性の神秘の危機なんだぞ!」
そう言うタカトは他のページもめくって見せた。
すると、ありとあらゆるページの蝦夷アワビがすべてタコさんウィンナーによって捕食されていたのである。
すなわち、この無修正のエロ本は、全てのページがペッチャンコにつぶれたタコさんウィンナーによって修正されていたのである。
もはや、こうなると……無修正のエロ本とはいいがたい……
こんなエロ本になんの価値があるのだろうか……
せめて、修正がタコさんウィンナーではなくてモザイクであれば脳内で補完することもできた。そう、それが日本男児であることの誇りなのである!
だが……修正マークがタコさんウィンナーなのだ……
こうなると、いくら頑張って補完しようと思っても、ウィンナーの印象が強すぎてオカマちゃんになってしまうのである……
想像力豊かな日本男児の悲しきサガ……そう、これこそ日本男児の限界なのである……
しかも!
しかも! それだけだは収まらなかったのである!
というのも、タコさんウィンナーが引っ付いているのは女性の丘陵地帯だけではなかったのだ。
そう、胸にあるスイカの上のいちごタンもまた……タコさんウィンナーの侵略にあっていたのである。
もう、こうなると……無修正云々などではなく、エロ本としての体をなしていない。
そう、エロを主張する女性の体のいたるところにタコさんウィンナーが張り付けられているのだ。
おそらく、ゴールデンタイムに放送されるNHKのお笑い番組で、この写真を画面いっぱいに写し出したとしてもクレームすら入らないことだろう……
も!もしかして! これはNHKの差し金なのか?
ちなみに、NHKは某放送局の事ではない。
この世界で健全な青少年の育成活動をしているレジスタンス組織「
「欲しがりません! カツまでは!
そう、タカトは第七駐屯地の内部にいるNHKの隠れ信者にまんまと一杯はめられたのだ。
第七駐屯地の食堂は戦闘訓練で常に腹を減らしている兵士たちでいっぱいだった。
そんな彼らの腹を満たすために、食事はバイキング形式となっていた。
料理の種類は、焼き肉、焼き豚、焼き鳥、ジンギスカンにハンバーグ、肉団子やニンニク揚げなどの肉づくし!
そう、体力勝負の兵士たちのためにタンパク質多め、というかタンパク質オンリーで料理が提供されていたのである。
大会議室のような大広間の壁際には山盛りとなった料理の大皿が並べられ、その後ろにそれを盛り付ける女性たちが立っていた。
そんなお気に入りのお皿の前に、汗をだらだと垂らした男たちが熱気ムンムンの香りを立てながら列をなしているのである。
その様子はまるで、アイドルの握手会。
人気アイドルが配膳する皿の前には当然のように長蛇の列ができていた。
「フジコちゃん! 今日も大盛でお願いしゃす!」
「まあ♡ ありがとう! いっぱいサービスするから♡楽しんでいってね♡」
そういうとライダースーツで胸の谷間を強調したフジコという女性が、兵士が突き出す皿にエビフライをこれでもかというぐらいに盛り付け始めた。
というか……料理をつぐのに、ライダースーツってありなの?
衛生的に白色の割烹着、いや、白衣ぐらいは身につけようよ。
だからなのか、その盛り付けの仕方はオタマで無造作にエビフライを叩きつけるだけ……だから……もう……
グチャ♡グチャ♡
それでも、兵士たちは嬉しそうに腰を振るwww
そして、ついに感極まった兵士は、当然に!
「フジコちゃん! 俺、我慢できない!……ごめん!……もう!イクっ!」
オタマから飛び散るタルタルソース。
フジコちゃんは顔面に飛び散ったタルタルソースを指先でこすり取るとぺろりと舌を出して舐めとった。
「もう♡早いんだから♡」
だが、顔を赤くする兵士は、もうすでにそこにはいない。
急いで皿をもってテーブルに
というのも、フジコちゃんの皿の前には兵士たちが500人ほど並んでいるのである。
そんなフジコちゃんが一日に盛り付けるエビフライは約10,000本! エビフライ一本約16gで計算すると総重量量にして約160kgである!
これで、いかにフジコちゃんの人気があるのかが分かってもらえたことだろう。
そう、フジコちゃんは、この第七の食堂で一番人気の配膳アイドルなのだ。
ちなみにフジコちゃん、ブランドバックや高級エステなど散財しまくるため万年金欠。そのため、今はここでバイトをしていたのである。というのもその日のナンバー1になると食堂のおばちゃんからボーナスとして銀貨1枚(1000円)が貰えるらしいのだ。
そして、超人気者のフジコちゃんとは対照的に、人がほとんど並んでいない配膳アイドルもまた存在していたのである。
その中の一つに、子供のお弁当に出てくるような赤い「タコさんウィンナー」の皿があった。
まぁ、確かに、大人になってまでもタコさんウィンナーというのは恥ずかしい。
そのため、人が並ばないのはなんとなくわかるような気がするのだが、どうやら原因はそれではないような気がするのだ。
というのも、その後ろに立つ女性は白の着物を身に着けた女の子。
ここまでは普通なのだが……なんというか……その雰囲気が、かなり暗いのだ……まるで、柳の下に立つ幽霊……
そう! タコサンウィンナーの周辺だけ、なんか黒い怪しい空気が漂っているのである。
近寄っただけで呪われそう! マジでそんな直感を抱かせるような存在感なのである。
そのせいか「タコさんウィンナー」には誰一人として近づけなかったのだ。
この配膳アイドルの名前は「お菊」さん……
彼女のまといし黒いオーラで頼みごとをされると断ることができない……
それが、どんなに無理なお願いであったとしても……
そう、それが彼女の持つ職業スキル! 「ターミネーター レジスタンスリーダー」なのである!
一枚……
二枚……
三枚……
四枚……
五枚……
六枚……
七枚……
八枚……
九枚……
……
……
一枚たりなぁ~い!!!!!(怒)
「
目の前に並ぶタカトに対して、お菊がまるで気が狂ったかのように叫ぶのだ
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