眠りの森の美女 催眠術(意味が分かると怖い話)
眠りの森には美しい女性が住んでいました。若く、まだ成人していない女性は絶世の美女でした。その女性にひとめぼれした男がいました。どうしても仲良くなりたくて、森に遊びにやってきていました。これで何度目でしょうか。
眠り姫と呼ばれる美女は催眠術を商売として色々なビジネスを展開していました。催眠術は無意識に誘導する睡眠に近い状態なのです。うとうとしている状態というとわかりやすいでしょう。
催眠術で忘れた記憶を取り戻したいという客や恐怖心やあがり症を克服したいという相談も割とあるのです。催眠術をかけてほしいと男は頼みました。男は幼少期のトラウマがあり、虫がとても怖いので、それを忘れさせてほしいと言ってきたのです。彼女の催眠術は一時的ではなく一生かかるという珍しい優秀なものでした。
眠り姫は快くその仕事を引き受けました。もちろんお金をもらい、催眠術のメカニズムを軽く説明した後、懐中時計を揺らしながら女性は男の記憶を幼少期に戻します。男の心は少年時代に戻ります。少年だったときに出会った恐怖体験をもう一度体験することになるのですが、催眠の中ではとても優しくかわいらしいものに見えてしまうようでした。あの気持ちの悪い容姿の虫がとてもかわいいと思えてしまう。ありえないことですが、彼女の催眠術にかかれば当然のことなのかもしれません。
催眠術を施した後、男は目の前の美女を見て、なぜか嫌悪感を感じていました。後日、色々な景色や絵を鑑賞しても、男は美しいものを見て感動することができなくなっていたのでした。今までの価値観が逆になってしまったのです。
★解説
美しいものを見て嫌悪感を感じるということは、美的感覚がマヒしてしまったのでしょう。でも、虫をみるとかわいいという心理になる。美しい人やものが好きになれないという感覚になるのも結構辛いと思います。眠り姫は迷惑していたから、そんな催眠術をかけたのかもしれません。
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