第10話 2つの新スキル
「はあっ………はあっ……」
やっと勝てたか………とんでもなく強かったな…
何より攻撃が当たれば即アウトってのがキツかった…
俺は一度ディメンションイーターが本当に死んだかを確認してからパンドラの元に向かった。
「大丈夫だったか、パンドラ?すまない……俺が不甲斐ない性で危険な目に合わせてしまった…」
「それはこちらのセリフです、ゼノン様!!お怪我はありませんか!?申し訳ありません…私のせいで…」
「何故お前のせいになる?どんなに気をつけていてもあいつは現れただろう。とにかく今は俺もお前も生きていたことを喜ぼう。さっきはありがとうな、パンドラ。俺を守ろうとしてくれて。」
そうして俺はパンドラを抱きしめた。
まだ僅かに震えている。そして、グッと抱きしめたら折れてしまいそうなその体で俺を守ろうとしてくれたんだな……
「ひぐっ………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!ゼノン様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺たちはしばらくその場で抱き合いながら時を過ごした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「もう大丈夫か?」
「はい…落ち着きました…ありがとうございます。それと……突然抱き着ついてしまい/////…申し訳ございません/////」
ちょっ………/////それ今掘り返すのは反則だわ/////
今考えたら最善策とはいえすげー恥ずかしいわ/////
雰囲気ってすげーな……
「とっ……とにかくお互い無事でよかったじゃないか/////それにもともと俺から抱き着いたわけだし…/////」
「ふぇっ/////!?そっ……そうですね/////!では、お互い様ということで/////!!」
「そっ……そうだな/////!!お互い様と様だな/////!」
より意識しちゃうじゃねーか!?
何かこの流れをぶった切る手段はないのか!?
そうだ、ステータス! ステータスを見よう!!
食べてレベルも上がったが、倒してからも上がった気がしたからな!
それとスキルだ!あいつは強かったから、強力なスキルを覚えた気がするぞ!
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名前 : ゼノン
種族 : 魔王 レベル : 19
【体力】: 3110 (+400) 【MP】 : 2800 (+400)
【攻撃力】: 1525 (+200)
【防御力】: 1600 (+200)
【素早さ】: 1400 (+200)
【運】 : 250
【ユニークスキル】: 【悪食】【能力吸収】【鑑定】
【称号】: 【新米魔王】【卵に負けし者】
【ユニークキラー】
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レベルが4上がった!!ディメンションイーターだけで合計14も上がったな。ステータスもかなり強くなったはずだ。比べる対象がないからどれくらい強いかはわからんけど……
レベルが上がれば減ったはずのMPも回復するんだな。体のダルさがとれた。
それと称号も増えたな。【ユニークキラー】か…
何だろうこれ?
称号【ユニークキラー】
ユニーク個体を初めて倒した者に与えられる称号。
ユニーク個体に与えるダメージが1.5倍になる。
やっぱりさっきのはユニークモンスターだったのか。ゲームでもいたもんな、同じ種族でも1匹だけ強くなったやつ。
もし違うユニークモンスターと戦った時、この称号があるだけで全然楽になりそうだ!
称号も増えることがわかったから、これからも有利になりそうな称号はどんどん増えて欲しいもんだ。
そして肝心のスキルだ!!
良いスキル来てくれよ……
【ディメンション】
空間に触れたものを亜空間に飛ばす。取り出すことも可能。亜空間に物をしまうことも出来る。亜空間に送れるものはMPが増えるほど多くなる。
まさかのアイテムボックス系スキルきた!!!
やっぱりユニークモンスターはスキルも破格だな!!
亜空間にしまった物を取り出せるっていうことは、遠距離攻撃をしまって取り出したら 攻撃はね返せるんじゃないか?想像が膨らむな!
「パンドラ、【ディメンション】っていうアイテムボックス見たいなスキル…」
「えっ………」
今まで照れていたパンドラが一瞬でこの世の終わりのような表情になった。
「………があれば、パンドラの負担が減るんじゃないかな〜と…」
「ほっ……お気遣いありがとうございます。ですが大丈夫です。私はゼノン様のお役に立てるのが生きがいなので!!」
あぶねぇぇぇぇぇ!もう少しでパンドラの心を完全にへし折るところだった…!
アイテムボックス機能は見えないところでこっそり使おう……
んっ?まだあともう一つスキルが増えてるぞ?
【ラストブースト】
ピンチになった時、一度だけ攻撃力が2倍になる。
なんか威力ヤバいなと思ったら、これ覚えたからか!
これはさっきピンチになった時に使えるようになったものかな?
しかも使い勝手がよさそうだ!
スキルって勝手に覚えるんだな……
でも俺はのびのび生きていきたいんだ!
もうあんな気を抜いたら死ぬような戦いはこりごりだな……
強くもなりたいが、次はもっと日常的に便利になりそうなスキルを覚えたいな。
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