第6話 常春の草原
魔王の死因(笑)を確かめた俺たちは魔王国の東側に位置する常春の草原に来ていた。
「おぉーーーー。」
そこは見渡す限りの草原で、カラフルな花々が咲き乱れていた。遠目で見えにくいが、かなり奥には桜のようなピンクの花が咲いている木が見える。
さらに、地球の小動物に見た目が似ているような可愛らしいモンスター? もいた。
「なんかこの景色見てるとここに魔王がいるなんて思わねーよな。」
「はい。ここ全体が指折りの観光名所として、人間界では伝わっております。まぁ、ここまでの道のりが過酷すぎて誰もたどり着けないんですけどね!」
それは観光名所と言っていいのか…?
誰も来れないなら観光名所ではないだろ……
すると足元に見覚えのある4枚の葉を持つ植物を見つけた。拾ってみると……
「あーーーーーーっ!それは四つ葉のクローバーじゃないですか!めったに見つからないんですよ、簡単に見つけるとは流石ゼノン様ですね!!」
四つ葉のクローバーってそのままじゃねーか!!
地球にも余裕であったよ!!
なんかもっとこう、魔界に来た!っぽい名前のものを期待してたんだが……
「あーーーーーーっ!こっちにはデビル双葉がありますよ!四つ葉のクローバーには劣りますが、かなりレアです!」
いきなり出たよ!!なんだデビル双葉って!!
デビルって付いてる時点でもう嫌な予感するよ!
[デビル双葉]
なかなか見つけることができない双葉。見つけられたあなたはラッキーだ!でも猛毒なので食べれば死ぬ。
ほらな!ロクなもんじゃない!!
俺こっちに来てから見た食材、アポの実以外全部毒持ってんじゃねーか!!
ってかパンドラがめっちゃ期待した目でこっち見てくんだけど……
これは褒めろってことか??
「…さすがパンドラ…レアな食材を見つけるなんてすごいなぁ…」
「えへへ〜〜/////ありがとうございます/////」
かわいいなチクショウ!!!!
もっとクール系だと思ってたが、いい意味で裏切られたな。これからもっと褒めていこう。
しかし、早くスキルを覚えたいな……
出来ればどこでも加熱できるような火を使うやつ。
パンドラは知ってるかな?
「なぁ、火を使えるようになりそうな動植物って何かあるか?」
「それでしたら、ここから少し先にある火喰い草ひくいそうなどはいかがでしょうか?」
また物騒な名前が出てきたな……
しばらく歩いていると、目の前にうねうね動く真っ赤なボールに歯を生やしたような植物?があった。
「なぁ……気のせいかあれ動いてるんだけど……」
「はい。火喰い草は自立型植物ですので、夜になると歩いて移動したりします。」
「あれ歩くの!?」
想像してたより3割り増しエグいな……
とりあえず採取?するか…
「真正面に立つと火を噴くので、後ろからガッと引き抜いてください。引き抜くと倒せます。」
あぶなっ!!
ガッツリ真正面から行くつもりだったよ!!
てか倒せるってやっぱり魔物扱いなんだな…
うわぁ…近くで見ると思ったより大きいな…
バスケットボールぐらいあるんじゃないか?
頼むから振り向いてくれるなよ。
よっと。
思ったより軽いな?まぁ、なんにせよ無事に取れてよかった。
[火喰い草]
植物に擬態した魔物であるが、植物よりな為引き抜くと倒せる。火を噴くので注意。生で食べれるが、しとやか草と炒めることでより旨味が増す。
おぉ!!鑑定すれば対策見れたりどうすればいいかわかるのか。
生で食えるのか……まぁ、スキルのためだ…文句は言わないよ…
それと、しとやか草か。後で探してみるか。
まずは食べてみようか。どんな味かワクワクするな!
見た目通りでないことを祈るよ。
「辛っっっっっ!!」
「大丈夫ですか!?ゼノン様!?」
「あっ…ああ…大丈夫だよ…」
うわぁ…唐辛子丸かじりしたみたいな気分だ…
んっ?でも美味しいな。食感は果肉を食べてる感じで、後から旨味が上がってきて、なんか中華食べてる気分だ。
おっ!なんか頭の中で音が鳴ったぞ?
------ーーーーーーーーーーーーーーーー
名前 : ゼノン
種族 : 魔王 レベル : 2
【体力】: 1110 (+100) 【MP】 : 1100 (+100)
【攻撃力】: 575 (+75)
【防御力】: 550 (+50)
【素早さ】: 550 (+50)
【運】 : 250
【ユニークスキル】: 【悪食】【能力吸収】【鑑定】
【称号】: 【新米魔王】【卵に負けし者】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うおっ!!レベル上がってた!!
火喰い草倒したことになってたのか。
それと、レベル1上がるたびに 体力とMPが100、他が50上がるようになってるのか。
さらに、能力吸収のお陰で攻撃力が25上がってるな。
このままいけばかなり強くなれるんじゃないか?
それよりもスキルだ!
記念すべき初めてのスキルを覚えたぞ!!
【ファイア】
手からファイアを出せる。威力はレベルに依存する。
しかも欲しかった火を出せるやつきた!!
一回使ってみよう!夢だったんだよな〜。
「パンドラ、今ので【ファイア】を覚えたから試しに使ってみようと思うんだ。」
「おぉ!おめでとうございます!ここは草がたくさん生えておりますので、空に向かって放ってみてはいかがでしょうか?」
よーし!やってみるぞ!
空に向かって手を掲げ……
「【ファイア】!」
ボオォォォォ!!
そしてそのまま空に向かって飛んで行った。
「よし出たぞ!!」
「すごい威力ですね!」
なかなかの威力のようだ。よかった…これでしょぼかったらどうしようかと…
でもまぁ打てたことだし、次は食材を炙れるぐらいの火加減ができるか試してみるか。
すると………
「キョエェェェェェェェェェェェェェ!」
ひゅう〜〜〜〜〜〜、ドシーン!!
「「えっ!?」」
空から焼けた鳥が落ちてきた。
えっ?なんで落ちてきた?しかも焼けて。
さっき俺 空に向けてファイア打ったよな?
それに当たったとか??
………………じゃあこれ俺のせい??
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます