蛮人日記2020
闇塚 鍋太郎
1月6日・7日・8日
終点下車。駅を出て、職場へ向かった。いわゆる仕事始めだが、無難に終わらせたいと思う。到着後、休憩広場に足を進め、入金機に買物カードを挿入した。チャージ後、売店に入った。菓子パンの棚に「新商品」が二種類並んでいたが、不思議に手は伸びなかった。
窓際の卓席に朝食を運んだ。パンを腹におさめてから、ラジオの電源を入れた。コーヒーを飲みながら、情報番組を聴いた。話題は「ピンなしスパイク」について。電源を切り、池波正太郎の『一升桝の度量』を読み始めた。
食堂に直行し、券売機でBランチを買った。今日のBは地球魚類を揚げたやつ。小鉢はひじきの煮物。初ランチも無難な感じ。トレイ返却後、休憩場所に移動した。長椅子に座り、一升桝の続き、読後、約15分仮眠。初午睡だ。
帰宅後、テープに録音したナックファイブを聴きながら、腕立て伏せをやった。話題は紅白歌合戦。千春さんが菅田ちゃんを誉めていた。その誉め方が実に独特で、松山流「歌論」になっているのが面白い。同番組で『まちがいさがし』が流れるとは意外の展開であった。風呂場に行き、熱めのシャワーを浴びた。酒飯の後に、仲村トオル主演の『狙撃』を観るつもりである。
♞今宵の酒はトリハイ。酒肴はからし菜とマグロの刺身。飯は幕の内弁当。
扉が閉まり、電車が動き始めた。発車と同時に、高木彬光の『成吉思汗の秘密』を読み始めた。終点下車。階段を登り、地上に出た。駅から職場まで自分の足で移動した。到着後、売店に入り、朝食を買った。空いている卓席に陣取り、シュークリームを食べた。
ラジオの電源を入れた。コーヒーを飲みながら、情報番組を聴いた。話題は「超高級野菜について」であった。今後、俺の人生の中で、これらの食材に見(まみ)えることはまずあるまいと思われた。電源を切り、卓上を片づけた。
食券販売機に買物カードを挿し込み、Bランチを買った。今日のBは地球魚類を焼いたやつ。小鉢は中華風サラダ。いつもの席に座り、昼食を始めた。中盤で魚が消えた。残りの飯に味噌汁をぶっかけざまに、腹中に流し込んだ。初ぶっかけである。
休憩場所の長椅子に座り、秘密の続き。最初の話「恐るべき一人二役」を読み終えた。読後、目蓋を閉じる。待ち伏せていたかのように睡魔が現れ、眠りの滝壺に引き摺り込まれる。気がつくと、時間(約20分)が消し飛んでいた。
地元駅下車。通行の妨害にならぬところまで行き、公園近傍の弁当屋に電話をかけた。反応あり。帰宅後、ラジオを聴きながら、腕立て伏せをやった。明日の天気は荒れるそうである。
風呂場に行き、温水を浴びた。体を拭き、清潔な衣類を身に着けた。目薬を差してから、口中をすすいだ。健康食品三種を飲んでから、ガサガサの両手に軟膏を塗り込んだ。酒飯の後に『狙撃』の後半を観るつもりである。
♞今宵の酒はいいちこの水割り。酒肴は豆腐と胡瓜。飯はハンバーグ弁当。
職場到着。売店に入り、菓子パンとコーヒーを買った。窓際の卓席に座り、パンを齧った。ガラス越しに灰色の空が見えた。ラジオの電源を入れた。コーヒーを飲みながら、情報番組を聴いた。話題は新しい防寒用の生地について。電源を切り、ハルキ文庫を開いた。二番目の話「首を腐らせるための道中」を読み終えた。卓上を片づけてから、更衣室へ向かった。
食堂に行き、券売機でAランチを買った。今日のAは豚肉と野菜のごった煮風。日替わり小鉢は昨日の残り物(多分)を再利用したやつ。だが、悪くない味だった。ごった煮より、こちらの方が旨かったような気もする。食後、トレイを返却棚におさめた。休憩場所に行き、三番目の話「奥州衣川の偽戦」を読み始めた。その後、約20分まどろむ。
地元駅下車。帰路の途中、コンビニとスーパーに寄った。家に戻り、テープに録音したマーチンの番組を聴きながら、腕立て伏せをやった。風呂場に入る前に爪を切った。体と頭を洗ってから、髭を剃った。
服を着てから、目薬を差した。うがいをやり、それから、健康食品を飲む。ビタミン、カルシウム、野菜成分の三種類。知人からメールが届いていた。返信後、愛機を起動させた。酒飯の後に『新・座頭市』を観るつもりである。
♞今宵の酒はトリハイの濃いめ。酒肴はイカの空揚げとマグロのたたき。
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