第2話 Bleu Fumé

____________________Bleu Fuméブルー・フュメ





深い深い海の底


果てない孤独と寂しさの中に私はいた



いつから私はひとり、ここにいるのだろう


忘れてしまう程、遠い昔のような気がする



仲間がいた頃は、歌を唄い、魚と共にどこまでも泳いだものだ


住む場所を追われ、一人また一人といなくなっていく仲間達



いつもの様に暗い深淵から上をただ見上げる


いつもなら青煙のような海が広がるだけの空間に、キラッと光る物が目に入った。


“ 何!? ”


キラリと光った物は、まるでそれ自体が意志を持っているかのように、真直ぐ

自分の元に降りて来る。


私は、ただ唖然としてその様子を眺めていた。


暫くしてそれが頭上まできたところで、ハッとして両の掌を差し出すと、掌に

ヒヤリと硬い感触が伝わってきた。


両の掌で、優しく包み込むようにして目の前で掌を開くと、そこにあったのは

キラリとした石のついたシルバーのリングだった。


それと同時に、リングから自分の身体に流れ込んでくる感情の波


・・・悲しみ、怒り、愛、憧れ、劣等感、嫉妬、希望、後悔、諦め


そして・・・寂しさ・・・・。




私の瞳から、その感情に共感するように涙が零れた。




次の瞬間、激しい渦が私を襲った。


為す術もなく、私は渦に飲み込まれてしまった。



渦が去ったその場所には、大きな岩だけが残っていた。



そして暗い深淵は、何事も無かったかのようにいつもの姿をそこに現すだけだった。





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