再生人生(リメンバーロード)~カラーズ色鳥々の世界~
ハルト
プロローグ
世の中の大半の人間が、自分を偽り、他人に合わせ、社会の群れからはぐれないように、日々暮らしている。
なぜ周りに合わせなきゃいけないのか、なぜ好きでもないことをしなければいけないのか、なぜ自分には何の才能もないのか、なぜ容姿端麗に生まれて来なかったのか、それぞれの悩みを抱えながら、生きている人がほとんどだろう。そして人は後悔する。何故、あの時ああいう決断をしてしまったのか。逃げてしまったのか。自分に嘘をついてしまったのかと。あの時あの場所に戻れるのなら…と、思っている人間は少なくないと思う。しかし、過去に戻るなんて、現実的には不可能だと分かっているから、我慢し暮らしているのだろう。物語の主人公である潮ノ谷白斗もまた、この社会で、何者にもなれずに暮らしていた。
「俺の名は白斗。読みはそのまま。苗字は少し珍しい。潮ノ谷って書いて、チョウノタ二っていう。家庭はとても平凡で、金持ちでも何でもない。姉貴と弟がいて、姉は陸上でインターハイに出場した経験があり、今はOLとして働いている。弟はとても秀才で、東京一の大学に進学が決まっている。で当の本人である俺はというと、特にやりたいこともなかったので、実家を離れアルバイトで生計を立て暮らしていた。昔から人に合わせることが苦手で、仕事でもプライベートでも一人だ。まるでロボットのように、命令に従いただ忠実に働いてはいるが、全く使い物にならないポンコツで、仲のいい人は一人もいない。友達も彼女もおらず、唯一、親と電話しているときだけが、至福の時で、日常の不満を吐き出して、ストレスの発散をしていた。
(一人でカラオケ行ったり、焼き肉食べたりするのも、すごい楽しいし美味しいし、別に寂しくないもんねー)って強がってはみても、このどうしようもない人生に、疑問を感じていた。そんなある時、一筋の光が俺に差し込み、俺の人生を変えていく。」
この物語は、平凡な家庭で育った男が過去への扉を開き、成長していく物語だ。冒頭で話したように、人は過去へは戻れない。彼はどのようにして過去へ渡り、理不尽な世界から解き放たれていくのかを、一緒に見てもらえたら嬉しく思う。
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