第24話 二人でお留守番
「あの……アカリちゃんは……」
不思議な本と出会った翌日の朝、アカリの部屋では起きないアカリに心配そうに見ているルカと、アカリの体調を見ているノドカとミツキがいた
「寝ているね。昨日、はしゃいでたって言ってたから、疲れたのかな?」
「あの……でも……アカリちゃんは……」
優しく話すノドカに対し、ルカは昨晩の出来事を言うべきなのか戸惑っている
「どうせアカリ、宿題してないみたいだし、学校休ませる?」
あたふたするルカの様子を見て、ミツキがノドカに話しかける
「そうだね。……ルカちゃん」
「は、はい!」
ノドカから急に話しかけられて、緊張してちょっと声が裏返ってしまう。一人あたふたとしているルカにまた、ノドカが優しく声をかける
「僕らは仕事もあるし、ミツキも学校があるから、悪いけど、君も学校を休んでアカリの様子を見てもらっていいかい?」
「は、はい。私は大丈夫ですけど……」
「よかった。引っ越しの必要な書類も持ってくるから、後で一緒に確認してくれるかい?」
「あっ……はい」
「じゃあ、二人分のお昼ご飯は作っておくから、後で食べてね」
と言うと、ルカを残してノドカとミツキはアカリの部屋を出ていった
「ヒカリさん、どうしたの?」
ノドカ達がアカリの部屋から出た後、アカリの布団の中で隠れていたヒカリが不機嫌そうに出てきた
「ヒカリで良いわよ。昨日、リリにお菓子持っていかれたでしょ?」
「ええ、チーズケーキでしたね。それがなにか?」
ルカの言葉に思い出して、更にムスッとした表情になったヒカリ。机に置きっぱなしだったお皿を見て、今度は悔しそうな顔になる
「私の分まで持って帰っているのよ!」
いつの間にか部屋に持ってきた時より少し減っているチーズケーキを見て嘆くヒカリ。お皿を目の前にして、その落ち込みっぷりにルカが何か思い付く
「それじゃあ、後で何か作りますか?」
「……良いの?」
「ええ、許可貰えばですが……。ちょっと聞いてみますね」
機嫌の良くなったヒカリにクスッと笑って、パタパタと足音をたて、部屋から出てリビングに向かっていったルカ。部屋に一人、話し相手がいなくなったヒカリ。ベットで寝ているアカリの顔を見ると、そっと頬を触る
「力が強くなっているわね。アカリならこの調子で書き終えることが出来るわ……きっと」
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