第20話 これからは一緒に

「服を着替えてくるから、飲み物とか取って良いから、ちょっと待っててね」

 リビングに案内して、パタパタとスリッパの音をたてて、自分の部屋へと入ってくルカ。アカリの鞄に隠れていたヒカリも顔を出して、誰もいないのを確認するとリビングをうろちょろと見て回ってく

「ここがルカちゃんのお家?」

「うん。ヒカリ、飲み物はお茶でいい?」

 キッチンでは、アカリがカチャカチャと食器の音をたてて、慣れた手つきでお茶を用意している


「あら?この写真は……」

「左にいるのがルカちゃんのお母さん。その隣が私のお母さん」

 テレビの横に置かれた女の人二人が写っている写真たてに見入っていると、お茶を持ってきたアカリが答える

「お母さん達、幼馴染みだったみたいでね。ルカちゃんと初めて会ったのは、小学生になる頃だったけど、お母さん達は時々会ってたんだって」

 テーブルにお茶を置きながら話すアカリ。写真を見ながら話を聞いているヒカリ。写真立てを手に持ってクスリと笑っている


「お待たせ。なにかあったの?」

 着替えの終えたルカがリビングにやって来た。ソファーに座っているアカリの隣に座って、用意されてたお茶をアカリと一緒に飲んで一息つく

「ヒカリにお母さん達のこと話してたの。ルカちゃん、お母さん最近帰って来た?」

 アカリの質問に首を横に振ると、ちょっとうつ向くルカ。それを見たアカリが、ふぅ。とため息つきながら、ソファーに背もたれる

「もー。ルカちゃん、本当に私のお家に住んだらいいのにー」

「でも、迷惑になるから……」

「何の話をしているの?」

 急に深刻な顔になったルカに、ヒカリが不思議そうな顔でアカリに問いかける

「私のお家に住むって話。ずっと前から言ってるんだけどね。ルカちゃんのお母さん、あまり帰ってこないし兄弟もいないから、女の子一人で暮らすよりかは話してるんだけど……」


 アカリがヒカリに説明していると、考え込んでうつ向いてくルカ。それを見たアカリがルカの手を握って、顔を近づけながら力説をする

「迷惑なんてないよ。お父さんもお兄ちゃんもお母さんもみんな賛成してるんだし!ねっ」

「そうね……私も一緒に住むのは賛成だわ」

 意外なヒカリからの賛成の発言に、二人ともヒカリに目を向ける。お茶を一口飲んで、ふぅ。と一息ついて、アカリを見てクスッと笑う


「アカリが寝坊するのも防げるしね」

「ちょっと……」

 言い合う二人の話を聞いて、ルカがまだちょっと戸惑いつつも微笑む

「そうだね……考えてみようかな」

 ルカの前向きな言葉に、抱きついてそのままソファーに倒れる二人。はしゃいでいる姿を

「それじゃあ話も一段落ついたところで……」

 ヒカリの言葉で、やっとルカから離れるアカリ。ゆっくりと体を起こすと、ヒカリがキッチンに向かってなぜか指を指していた

「あちらにあるチョコ頂いてもいいかしら?」

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